小区画分散地を対象とした小規模移動放牧技術

タイトル 小区画分散地を対象とした小規模移動放牧技術
担当機関 草地試験場
研究課題名
研究期間 1999~1999
研究担当者 瀬川 敬
飯嶋渡 
発行年度 1999
要約 小規模移動方式は荒廃地などの小区画分散地を放牧で利活用するために、放牧地の造成・管理、牧柵設置、給水装置、家畜の捕獲移動、給餌などの個別技術を組み合わせ、放牧家畜と草生産のバランスを取りながら、放牧家畜を分散配置する放牧方式である。
背景・ねらい 未利用荒廃地の放牧による活用が期待されている。しかし、わが国の国土条件では小区画分散地なため容易に放牧を取り入れることができない。また、これまでの放牧は牛舎などの基地と連携した放牧で、新たな土地利用や規模拡大に結びつけることが困難であった。そこで、放牧地面積と放牧頭数のバランスをとり、草生産と家畜生産を安定的に継続するため、放牧家畜を分散配置し、放牧家畜の増減及び給餌を組み合わせた放牧技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 小規模移動放牧の概念は肉用繁殖牛を対象に分散地へ牛を運び、そこに必要な施設を用意し、放牧草の生育状況に合わせて放牧牛の頭数を増減したり、放牧地で給餌しながら草利用する方式である(図1)。
  2. 移動放牧は15~20アールの区画で2~3カ所に分散している場合2頭で7~20日間隔で14回程度の移牧作業を必要とする。入牧期や終牧期に草生産を期待しながら放牧を継続するため、放牧家畜の増減と給餌による方法で対応できた(表1)。
  3. 移動放牧を構成する主な個別技術を例示した。
    (1)造成は、既耕地では耕起造成で可能であるが、雑木林地などでは給餌車を活用しながら土地の攪乱、掃除刈りを組み合わせて行う方法が省力的であった。
    (2)牧柵設置は、放牧に伴う崩壊、周辺管理などを考慮に入れた設置が有効であった。(10年度、最新情報69)
    (3)家畜運搬車は放牧家畜の移動、繁殖管理や衛生管理のために放牧牛を捕獲するときに活用できる。捕獲は仮設ゲイトと誘導用電牧線を組み合わせると1人で容易にできる(図2)。
    (4)給餌車は放牧地間を容易に移動でき、自由採食させることで省力化できる(図3)。給餌車は入牧を早める時や、夏期の端境期に他の牧区の現存量を増やした状態で転牧間隔を広げる場合、終牧期においては草生産が期待できるところまで放牧するために活用できた。
    (5)給水は、水源が無い場合には大型水槽やタンクと組み合わせた水槽で可能であった。
    (6)移牧・転牧基準は、草の現存量をベース行い、基幹草種の出穂前に採食を完了させ、現存量が不足する場合は放牧頭数と給餌の調節で放牧を継続させることができた。
      参照  表2、表3
成果の活用面・留意点
  1. 小区画で分散している未利用荒廃地は、放牧単位を形成しながら牛を移動して回ることで、放牧地として大家畜の生産に活用できる。
  2. 基盤整備としての水系管理や保全のための造成技術、家畜や飼料の運搬・給餌のための道具の改良、低価格化を進める必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015409
カテゴリ 規模拡大 省力化 繁殖性改善 放牧技術

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