泌乳牛に対する大豆皮の低質粗飼料との併給効果

タイトル 泌乳牛に対する大豆皮の低質粗飼料との併給効果
担当機関 草地試験場
研究課題名
研究期間 1996~1998
研究担当者 安藤 貞
押尾秀一
発行年度 1996
要約  大豆皮はNDF等の繊維成分が高いにも拘らず,濃厚飼料並みの消化率を示した。そのため,低消化性の粗飼料と併用することにより,単純に濃厚飼料割合を増加させる場合よりも高い泌乳効果が期待できることが明らかになった。
背景・ねらい わが国の一頭当たりの牛乳生産量は年々増加傾向にあり、今後とも増加する趨勢にある。高乳量を安定的に維持するためには良質粗飼料を確保することが重要な問題である。しかし、実際には刈り遅れや2番草、3番草等、低消化性粗飼料を生産する場合も多く見られる。そこで、泌乳牛に対してこれら低消化性粗飼料を効率的に利用可能とするための補助飼料として高消化性繊維飼料である大豆皮の給与効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 大豆皮はNDF62%、ADF50%、粗繊維38%と牧草と同等の高い繊維質含量を示し、これら繊維成分の消化率は90%以上と高く、TDN含量も89%とほぼ濃厚飼料並みの高い値を示した(表1)。
  2. 濃厚飼料割合55%と一定にして2番刈乾草と大豆皮の給与割合を変えた場合の泌乳成績を見ると、大豆皮給与割合の増加に伴って、DM摂取量並びに乳量も増加する傾向を示した。また、乳成分においては大豆皮割合の増加により、乳脂率は若干低下したものの有意差は認められず、乳糖、乳蛋白質含量は殆ど大豆皮給与によって影響されなかった。咀嚼時間は大豆皮25%給与した場合では30分/kg以下、第1胃内酢酸割合も60%以下になる場合も見られたが、15%では大きな低下は認められなかった(表2)。
  3. 大豆皮を給与した20:55:0:25区、0:55:10:35区はともに粗飼料割合を減らし、濃厚飼料割合を増加させた25:60:15:0区、15:70:15:0区よりも乾物摂取量、TDN摂取量、乳量ともに有意に増加した。乳蛋白質、乳糖含量は大豆皮給与による影響は殆ど認められなかったものの、乳脂率、咀嚼時間は有意に低下した。しかし、大豆皮35%、稲ワラ10%を繊維源として給与した0:55:10:35区においても乳脂率は3.5%を維持しており、第1胃内酢酸割合も60%以上の高い値を示していた(表3)。
  4. 以上のことから、大豆皮は消化機能を正常に維持する物理特性を有する繊維飼料と併用することにより、濃厚飼料割合を単純に増加させた場合よりも乳量を増加させることが可能であることか示された。しかし、乾物1kg当たりの咀嚼時間は15~25分程度と通常のイネ科牧草の20~25%の値となることが推定されるため、極端に多給すると消化器障害を起こす可能性もあるので通常のイネ科牧草を給与する場合には全体の20%程度に抑えた方が安全と考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. 刈り遅れ、夏期の2番、3番草並びに暖地型牧草等、高い消化率が期待できない粗飼料と併用することにより、乳量の増加が期待できる。
  2. 消化の良い粗飼料を利用出来る場合は大豆皮給与効果は余り期待できず、逆に咀嚼時間、乳脂率の低下等の可能性もあるので、一日の咀嚼時間が600分、咀嚼回数4万回以下にならない様に飼料設計をする必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015202
カテゴリ 飼料設計 大豆 乳牛

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