日本で発生するソルガム麦角病とその防除法

タイトル 日本で発生するソルガム麦角病とその防除法
担当機関 草地試験場
研究課題名
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 日本で発生する2種のソルガム麦角病菌をClaviceps sp.およびSphacelia sorghiと同定した。スーダングラスおよびスーダン型ソルガムにはClaviceps sp.による麦角病に対する抵抗性品種種があり、これらを早播きすれば本病の発生は回避できる。
背景・ねらい 各地で発生が増加しているソルガム麦角病は穂に牛の角状の麦角を形成する病害で、麦角中にアルカロイドが含まれることから家畜毒性が懸念される重要病害である。しかし、日本で発生する菌種およびその毒素産生については検討がなされていない。また、本病の常発地域では耕種的および生物的手法による防除法が切望されている。このため、日本で発生している菌種の同定と共に、播種期と抵抗性利用を組み合わせた防除法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 日本でソルガムに発生する麦角病菌2種をClaviceps sp.およびSphacelia sorghi(C.africana)と同定した。Claviceps sp.は主に関東で発生し、淡褐色の蜜滴と大型の麦角を形成する(図1)。S.sorghiは主に九州で発生し、罹病穂は白粉を吹いたようになり、特徴的な麦角は形成しない。アルカロイドとしては、Claviceps sp.はパリクラビン様の三環性アルカロイドを、S.sorghiはデヒドロエルゴシンを産生する。
  2. ソルガムおよびスーダングラス40品種・系統のClaviceps sp.に対する抵抗性を圃場と温室で検定したところ、ソルゴー型ソルガムはほとんどが罹病性であったが、スーダングラスおよびスーダン型ソルガムには麦角をほとんど形成しない抵抗性の品種があった(表1)。各品種・系統の抽出雌ずい長、稔実率、護穎被度と圃場での発病度との間には相関が認められ、雌ずい長は短いほど、稔実率と護穎被度は高いほど発病度が低下した。特に雄性不稔系統は例外なく発病度が高かった。スーダングラスは種子が護穎にほぼ全面被われており、このため麦角を形成しにくいと考えられた。
  3. Claviceps sp.の常発する圃場で抵抗性および罹病性品種を播種期を変えて栽培したところ、5月および6月播種では罹病性品種は若干発病したが、抵抗性品種は全く発病しなかった(表2)。本病は病原菌の胞子飛散が多い9~10月に開花すると発病しやすいが、この時期に開花した7月播種では罹病性品種が激しく発病したのに対し、抵抗性品種の麦角形成は著しく少なかった。従って、抵抗性品種の利用により発病は大幅に抑えられ、さらにこれらの品種を早播きすることにより発病を回避できる。
成果の活用面・留意点
  1. Claviceps sp.による麦角病に対しては、栽培法と抵抗性利用の組み合わせで防除が可能である。護穎被度などを指標として抵抗性系統の選抜が可能である。
  2. 主に九州地方で発生するS.sorghiの防除法については未検討であり、注意を要する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015130
カテゴリ ソルガム 抵抗性 抵抗性品種 播種 品種 防除

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