ヤギ放牧による雑潅木の除去効果

タイトル ヤギ放牧による雑潅木の除去効果
担当機関 草地試験場
研究課題名
研究期間 1993~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 ヤギの雑灌木樹種に対する嗜好性と採食による除去効果を調べた。ヤギは、一部に嗜好性の低い樹種が見られたが、ほとんどの樹種に高い嗜好性を示した。また、高木性の樹種に対しても樹皮剥ぎの効果が高く、雑灌木の除去効果は大きいと考えられた。
背景・ねらい ヤギが木本類を好んで食べるという採食特性を利用して雑灌木材を飼料資源として活用し、あわせて草地造成の省力化を計ることは山地傾斜地において特に有用である。本研究では落葉樹林の伐採後低灌木化した林地にヤギを放牧し、ヤギの樹種に対する嗜好性を経時的に調査し、その採食特性と灌木の消失程度を明らかにした。
成果の内容・特徴 93年6月にコナラ、クリ等の優占する雑灌木林(1982年伐採・最高樹高5m)に9aの調査区を設定した。高さ50cm以上の雑灌木について個体識別した後樹種を同定し、高さと樹冠の面積を求めた。その後6月~8月の間に、3回に分け計14日間、7頭のヤギを放牧しその採食状況(葉のつき方を11段階に分類)と2m以上の樹木の樹皮剥ぎを測定した。また94年6月に再度調査を行い樹冠被度の回復率を求めるとともに、枯死個体の確認を行った。
  1. 採食可能な2m以下の灌木に対して、ヤギは放牧初期から活発に採食を行ったが、オオヒョウタンボク、シモツケ等は余り食べなかった。しかし最初に食べていたものが次第に少なくなると、嗜好性の低い種についても採食頻度は高くなり、最終的には、シモツケに多少食い残しがあるが全体的に当山地支場に分布する樹種については高い採食を受けた(表1)。
  2. 翌年の被度の回復率を見ると、ノイバラ、サワフタギは完全に回復したが、クリ、コナラはあまり回復せず枯死個体も多い。その他の樹種は漸減し、数年間同様に放牧すると消失していくと考えられ、特にタラノキのような枯死個体の多いものは消失速度が速いと思われる(表1)。
  3. 全体で56%あった雑灌木の積算被度は、ヤギを計14日間放牧した結果11%にまで下がった(図1)。ただし、図は調査地の一部を表す。
  4. 2m以上の個体は樹冠への採食の影響が少ないので樹皮剥ぎを調べた結果、高木種に対する樹皮剥ぎが多かった。その中でも特にクリは枯死しやすく、枯死したものも4個体あった(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 雑灌木林地の草地造成及び維持管理への活用。飼料資源としても活用可能。
  2. 他の樹種への嗜好性は他の文献を参照されたい。完全除去のためには、強放牧か繰り返し放牧が必要。有毒植物対策と有用樹種保護が必要。また野犬対策が必要。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015109
カテゴリ くり 傾斜地 省力化 たらのき ばら ひょうたん 山羊

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