固形状食品を大きく変形させた時の物性がヒトの咀嚼(そしゃく)挙動を変化させる

タイトル 固形状食品を大きく変形させた時の物性がヒトの咀嚼(そしゃく)挙動を変化させる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究課題名
研究期間 2006~2007
研究担当者 神山かおる
早川文代
発行年度 2007
要約  食品の物性値とヒトの計測により得た咀嚼パラメータとの関係を体系化した。破壊特性に関わらず、極めて大きく圧縮変形させた時の力学特性が咀嚼初期の、付着性が咀嚼中期から後期の咀嚼挙動に最も影響することがわかった。
キーワード 固形状食品、物性値、咀嚼測定、力学測定、咀嚼パラメータ
背景・ねらい
 機器測定によって得られる食品の物性値と、ヒトの計測により得られる咀嚼パラメータとの関係の体系化をめざす。まず、汎用的に行われている物性測定から独立した代表的物性値を抽出する。咀嚼計測では、やはり汎用的に行われている閉口筋の筋電位及び切歯点における下顎運動を測定する。両者の相関関係を調べ、咀嚼挙動に影響する物性値を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.広い物性範囲から8種の固形状食品(乾パン、こんにゃく、ドライソーセージ、ソフトキャンデー、生大根、たくあん、茹で人参、生人参)を選び、一口大の15×15×10mmに成形した。
2.平板圧縮試験やテクスチャー解析などにより、できるだけ多数の物性パラメータを得た。これらから有意に相関しない9群(①小さく圧縮変形したときの物性、②中くらい圧縮変形したときの物性、③大きく圧縮変形したときの物性、④極めて大きく圧縮したときの物性、⑤破壊に要する力、⑥ばらつきにくさ、⑦付着しやすさ、⑧密度、⑨水分量)が得られた。
3.8食品の9群を代表する物性値はどれも類似せず(表1)、この8食品は広範囲の食品を代表するモデルとして適当であった。
4.若年被験者11名に図1のような装具をつけて、閉口時に働く咬筋と側頭筋の筋電位及び切歯点における下顎運動を測定した(図2)。嚥下までの全咀嚼過程に関するパラメータに加えて、咀嚼中にテクスチャーが変化することを考慮して咀嚼初・中・後期における咀嚼パラメータも、できるだけ多数取得した。
5.表1に示す物性値の中で、90%圧縮歪時の応力が初期の、付着性が咀嚼中・後期の咀嚼挙動に最も影響した。
6.機器測定における破壊変形と対応する咀嚼パラメータは測定した約100個の中にはなかった。また、機器測定での破壊時の力と有意に相関する咀嚼パラメータも咀嚼1回目の咀嚼周期のみであった。圧縮歪が50%以下における食品の物性値は、どの咀嚼パラメータとも有意な相関関係が認められなかった。

成果の活用面・留意点
1.独立性の高い食品を選定し物性値により特徴づけたので、似た物性値を示す異なる食品を用いても、同等の結果が得られることが予測される。
2.通常の機器による食品物性の評価では、破壊特性や弾性率等の破壊前の物性を得ることが多い。本結果から、このような一般的な物性測定では、咀嚼挙動と対応するパラメータは得にくいことが示唆された。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010015040
カテゴリ こんにゃく

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