食品品質管理用コンパクトMRI装置の開発

タイトル 食品品質管理用コンパクトMRI装置の開発
担当機関 (独)食品総合研究所
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 石田信昭
内藤成弘
発行年度 2004
要約 食品品質評価用コンパクトMRIの開発を目的として、永久磁石型MRIを試作し性能 評価を行った。コンパクトMRIはイメージコントラスト、緩和時間などにおいて研究用高磁場MRIとは異なる特性を持った装置であるが、研究用試験器のみならず、傷害検出、脂肪分布測定など食品品質管理などへの利用の可能性がある。
キーワード MRI、コンパクト、食品、品質管理
背景・ねらい 食品検査・評価用のインタラクティブ(会話型)操作ができる、フルオート測定・解析型超コンパクトMRIを作製する。有用ではあっても大型で操作に高度な技術を必要とし高価なMRIを、食品検査・評価のために充分な性能を持ち安価で通常の実験室において身近に利用でき、移動も出来る小型装置とする。それによって非破壊的でイメージを利用した食品検査・評価・開発の基盤技術とする。
成果の内容・特徴 食品用の永久磁石を用いたコンパクトMRI開発を行った。本装置は超電導磁石を用いた研究用の高磁場型MRIにくらべ、保守が容易で安価であり気軽に使える装置といえる。この磁場強度は、人体用MRIと同程度である。
  1. 研究用高磁場MRIとの磁場強度の違いは、同じ条件で測定したときS/N比の他にコントラストの違いが生じることがわかった。この違いをうまく利用することで、コンパクトMRIは食品に対し有用な装置になると考えられた。
  2. 果実の内部褐変や柑橘のす上がり、りんごの蜜入りの検出を行うことができ、研究段階では有用な技術であった。これらの実用化に向けては現在イメージを使っているため最短30秒である測定時間を1秒以下に短縮するため、データの蓄積と測定の簡易化の検討が必要と考えられた(図1)。
  3. Phase法及びTagging法による水の流れ計測は、食品加工や農業分野において加工工程の改良や食品物性を知るための新しい有用な手法になると考えられた(図2)。
  4. 魚肉、肉及びソーセージなどの肉製品の脂肪分布のイメージは、化学シフトによるアーティファクトとT2によるシグナル減衰が少ない分、低磁場型MRIの方が有利であり画像処理と組み合わせ食品品質管理に有用であった(図3)。
  5. 貝の身肉の大きさや食品の具のつまり具合など外部からわからない内部の充実度を非破壊で測定できる(図4)。
  6. コンパクトMRIは高磁場型MRIと異なり、液体窒素や液体ヘリウムの補給が必要なく維持管理が容易であり、通常の実験室に設置することができる。その反面、コンパクトにするため磁場の均一領域が狭いことと、液体ヘリウムに浸かって一定温度にある超電導磁石と異なり磁石が室温にさらされているため、温度変化による磁場のドリフトが大きいことが性能の限界となっている。
成果の活用面・留意点 現在3年計画の2年が経過したところである。装置の実用化や利用分野の開拓のために、今後も食品等でニーズのある品質管理、評価用の試料解析を行う予定であり、随時測定依頼を受け付けている。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010014994
カテゴリ 加工 画像処理 内部褐変 りんご

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