放線菌が生産する青色色素化合物(アクチノロージン)の生合成に関与するモノ オキシゲナーゼの解明

タイトル 放線菌が生産する青色色素化合物(アクチノロージン)の生合成に関与するモノ オキシゲナーゼの解明
担当機関 (独)食品総合研究所
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者 越智幸三
岡本晋
発行年度 2004
要約 放線菌は抗生物質や色素物質等として知られる芳香族ポリケタイド化合物を生産する。 青色色素化合物アクチノロージンの生合成遺伝子群ついて遺伝生化学的解析を行い、ポリ ケタイド骨格の修飾に関与するモノオキシゲナーゼ(酸化酵素)を同定した。本化合物の 生合成には少なくとも3種類のモノオキシゲナーゼが関与しており、その内の一つは新規 な構造の酵素であることを見いだした。
キーワード 二次代謝、芳香族ポリケタイド、生合成、モノオキシゲナーゼ
背景・ねらい 芳香族ポリケタイドは放線菌を始めとする微生物によって生産され、医薬品等として利用されているもも少なくない。ポリケタイド骨格の形成に関与する酵素については詳細な解析が行われているが、基本 骨格の修飾に関与する酵素の解析はそれほど行われていない。しかしながら、それらの修飾酵素には様々 な炭素骨格への酸素原子の付加、糖転移など化学的に興味深い反応を触媒するものも少なくなく、新規な 物質変換プロセスへの応用が期待される。本課題では、放線菌の生産する芳香族ポリケタイド化合物アク チノロージンの生合成過程、とりわけポリケタイド骨格の修飾反応について解析することを目的とする。
成果の内容・特徴 1.アクチノロージンは 22遺伝子から成る生合成遺伝子クラスターによって合成される(図1)。本課 題では、ポリケタイド骨格の化学修飾(テーラリング)に関わる遺伝子のうち、最後期の酸化反応に 関わる actVA および actVB 遺伝子群について解析を行った。
2.これまで、既知のモノオキシゲナーゼとの相同性および発現蛋白質を用いた生化学的解析(基質アナ ログを使用)から、6 位の炭素の酸化反応は ActVA6 蛋白質によって触媒されると考えられていた。し かしながら、遺伝子破壊株の解析により本酵素がこの反応にあまり関与していないことが明らかとな った(図2および3)。
3.各種遺伝子破壊株の代謝産物解析および発現蛋白質を用いた生化学的解析により、上記の酸化反応は 主に ActVA5 および ActVB 2 種類の蛋白質から成るモノオキシゲナーゼによって触媒されることを 明らかにした(図2および3)。
4.遺伝学的な解析により、8 位の酸化反応は ActVA3 蛋白質によって触媒されることが示された(図3)。 本酵素は既知のモノオキシゲナーゼとは全く相同性を示さず新規な構造を有すると考えられる。
成果の活用面・留意点 1.ここで見いだされた3種類のモノオキシゲナーゼは有用芳香族化合物(ポリフェノールなど)の構 造改変などに使用できる可能性がある。
2.ActVA3 蛋白質については発現蛋白質を用いての基質特異性等の検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010014988
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