茶色系のコロニーを形成する2種のアフラトキシン産生菌の分離同定

タイトル 茶色系のコロニーを形成する2種のアフラトキシン産生菌の分離同定
担当機関 (独)食品総合研究所
研究課題名
研究期間 1988~2001
研究担当者 (NCAUR
S.W. Peterson
USDA)
USDA) B.W.Horn (NPL
D.T. Wicklow
伊藤陽子(花き研究所)
後藤哲久(食品総合研究所)
発行年度 2001
要約 アフラトキシンはAspergillus section Flaviの一部の菌が産生する強い発がん性を持つマイコトキシンである。これまで知られていた産生菌のコロニーはすべて緑色であったが、これとは異なるコロニーが茶系の色になる新種の産生菌を2種を国内で分離同定した。
キーワード アフラトキシン、産生菌、コロニー、茶色、新種
背景・ねらい アフラトキシンはアスペルギルス・フラブス等のAspergillus section Flaviに属する一部の菌が産生するWHOにより発がん性が確認されているマイコトキシンである。我が国においては近縁の菌(アスペルギルス・オリーゼ、同ソーヤ)が広く醗酵食品の製造に用いられていることからその自然界(土壌)における分布等に関して多くの研究が行われ、アフラトキシン産生菌は紀伊半島、四国、九州のごく一部の地域、および奄美以南の西南暖地で、コロニーが緑色のアスペルギルス・フラブスと同パラシティカスのみが確認されている。しかし養蚕という限られた条件の場所では青森県下からも産生菌が分離され、また宮崎県下の茶園土壌からは過去に分離されたいずれの産生菌とも異なる特徴を持つ産生菌が分離された。
本研究では、これまでに報告されていたアフラトキシン産生菌と異なる特徴を持つ2種類の菌について、その特徴、同定の際の基準となる要件を示し、食品の安全性のさらなる向上に資する。
成果の内容・特徴
  1.  2種類の新種のアフラトキシン産生菌(Aspergillus pseudotamarii, Aspergillus bombycis)を、国内土壌等から分離同定し新種として記載した。
  2.  宮崎県下の茶園土壌から分離されたA.pseudotamariiは、A.tamariiと非常に類似した外観を有し、アフラトキシンB群、サイクロピアゾン酸、こうじ酸を産生した。
  3.  養蚕現場から広範に分離されたA. bombycisは、1987年にハチの幼虫等から分離されクルツマン等によって記載されたA.nomiusに類似した形態を示したが、コロニーが淡茶色に変わる特徴を有し、アフラトキシンB、G両群、こうじ酸を産生した。
  4.  国内未確認であったアフラトキシン産生菌A.nomiusは、沖縄県下の土壌から分離、確認するとともに、養蚕現場から、A.bombycisとともに頻繁に分離した。
  5.  今回記載した新種の2種とも、コロニー色が従来の産生菌が鶯色~緑色であったのに対し、A.pseudotmariiはA.tamarii様の黄褐色~淡褐色を、A.bombycisは淡茶~淡褐色のコロニーとなり、いずれも42℃では生育しなかった。

成果の活用面・留意点 これまで日本国内におけるアフラトキシン産生菌の分布は非常に限られたものであり、産生菌はすべて緑色のコロニーを作るとと考えられていた。しかし、養蚕現場あるいは茶園土壌から、従来、知られていなかった茶色系のコロニーを作るアフラトキシン産生菌が分離されたことは、今後の菌のスクリーニング、安全性確保の点から十分に注意を要する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010014918
カテゴリ カイコ

この記事は