15. カンショ繊維による発癌物質の吸着と食中毒細菌に対する抗菌作用

タイトル 15. カンショ繊維による発癌物質の吸着と食中毒細菌に対する抗菌作用
担当機関 九州農業試験場
研究課題名
研究期間 1998~1998
研究担当者 奥野成倫(畑作物変換利用研究室)
吉元 誠
山川 理(甘しょ育種研究室)
柴田久男(九州化工株式会社)
田之上隼雄(鹿児島県農産物加工研究指導センター)
発行年度 1998
要約  カンショ繊維には発癌物質の吸着能及び食中毒細菌に対する抗菌作用がある。クエン酸発酵粕ではこれらの活性は弱くなる。原因として、クエン酸発酵粕中のペクチン含量の減少が推察される。
背景・ねらい
 カンショ澱粉滓はこれまでクエン酸製造の原料として利用されてきたが、外国産の安価なクエン酸の輸入によりクエン酸発酵原料としての利用が困難になってきている。このような理由から、澱粉滓の高付加価値の付与による新用途開発が要望されている。本研究では、カンショ繊維の機能性について検討し、澱粉滓の新用途開発の可能性について評価する。
成果の内容・特徴
  1. 澱粉原料用品種として栽培・育成されているシロユタカ、コガネセンガン、九州124号からαーアミラーゼ及びグルコアミラーゼ処理により調製されたカンショ繊維は、発癌物質(Trp-P-1)に対し強い吸着能がある。澱粉滓をクエン酸発酵原料として供した後のクエン酸発酵粕はその活性が弱まる(表1)。
  2. カンショ繊維は大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌に対して、強い抗菌作用を示すが、クエン酸発酵粕は活性が非常に弱い。各種細菌に対する抗菌作用にはカンショの品種間で差がある。酵母菌に対しては、カンショ繊維及びクエン酸発酵粕ともに抗菌作用を示さない(表2)。
  3. 各繊維の熱水抽出画分の糖含量及び糖組成の比較試験の結果は、クエン酸発酵粕に比べてカンショ繊維でペクチンの成分である酸性糖含量が高く、中性糖組成においても差がある。カンショ繊維とクエン酸発酵粕の機能性の差は、ペクチン含量に由来し及びクエン酸製造中にこれらの成分が除去されることによる(表3)。
成果の活用面・留意点
 日本人の栄養摂取でカルシウムとともに食物繊維は不足しており、今後、食物繊維の需要は急激に伸びることが予想される。普及のためには、安価で、機能性に優れた澱粉滓の新用途を開発する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010014890
カテゴリ かんしょ 機能性 高付加価値 品種

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