豆乳のゲル化過程の少量計測−新しい加工適性評価法−

タイトル 豆乳のゲル化過程の少量計測−新しい加工適性評価法−
担当機関 食品総合研究所
研究課題名
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約  豆乳のゲル化過程を動的粘弾性法により連続測定し、豆腐加工特性を一粒大豆中のタンパク質量で評価した。大豆7S及び11Sグロブリンのゲル化と生成ゲルの物性の差異を明らかにした。
背景・ねらい  豆腐は大豆タンパク質に、グルコノデルタラクトン(GDL)や硫酸カルシウム等の凝固剤を添加してできたゲル状食品で、原料には国産大豆が多く利用されている。大豆タンパク質は主に7Sおよび11Sグロブリン(以下7S、11S)から構成されているが、近年、これらの特定成分を多く含む大豆の育成や特定成分の分離が、技術的に可能になってきている。特定成分の食品への利用について、以下の3点を目指して研究した。(1)豆腐加工適性と関連の深い力学的物性測定により検討する。(2)育成途中の大豆や、分離精製が困難な成分の影響も評価可能なように、少量で精度良く測定できる方法を開発する。(3)最終生成物となる豆腐ゲルのみならず、その形成過程も連続して計測する。
成果の内容・特徴
  1. 豆腐ゲルの動的粘弾性測定による評価法を確立し、このゲルの形成過程を力学的方法で初めて追跡した。
  2. 開発した動的粘弾性法と、従来から行われていたゲル強度測定法は、高い相関性を示し、本法の実用性、有効性が確認された。
  3. 振り子振動の減衰を検出する減衰振動型レオメータを食品用に改良し、豆乳のゲル化時間を非接触・非破壊的に計測した。
  4. 上述の二手法(1.、3.)は、豆乳1~ml、言い替えれば、ほぼ一粒の大豆中のタンパク質で一回の測定ができ、育成中の大豆等の少量試料による物性評価が可能になった。
  5. 大豆中の7S、11Sを用いて、GDLゲルのゲル化特性の違いを明らかにした。すなわち、11Sは7Sよりゲル化が速いが、最終的に形成されるゲルの弾性率はほぼ同じ(図1)で、ゲル強度は高かった。
  6. カルシウムを凝固剤としても、ゲル化が7Sよりも11Sの方が速い挙動が、GDL添加の場合と同様に観察された。しかし11S含有率が高いカルシウムゲルで見られた離水は、7Sによって防止され、安定した豆腐様のゲルが形成された。
  7. 7Sと11Sの混合系では、7S単独あるいは11S単独ゲルに比べ、弾性率は低くなり、混合比5:5の時に最小値を示した(図2)。すなわち、7S含有量が11Sよりも高い場合は、7S含量が高いほど硬いゲルが生成した。
  8. 分離大豆タンパク質(SPI)のGDLゲル中には、7S単独ゲルの様な細かい網目構造と、11S単独ゲルの様な粗い構造が両方含まれていた(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 少量で豆腐加工適性が評価できるため、農業研究センターの大豆育種研究者が、動的粘弾性法を取り入れ、検討している。
  2. 本法よりさらに多機能の動的粘弾性測定が、分離精製した大豆7Sおよび11Sグロブリンのゲル化特性評価に用いられて、食品素材生産に役立っている。
  3. 一粒の大豆から高収率で豆乳調製が可能になれば、一粒で豆腐加工適性が判断できる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010014764
カテゴリ 育種 加工適性 加工特性 大豆 評価法

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