二条大麦中間母本農1号の育成

タイトル 二条大麦中間母本農1号の育成
担当機関 栃木県農業試験場
研究課題名
研究期間 1994~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 二条大麦中間母本農1号(旧系統名:大系HC-15)は,蛋白質含有率がミカモゴールデンと比べて約2%低く,醸造品質の優れた縞萎縮病抵抗性の早生系統である。耐到状性は弱い。低蛋白質で高品質多収の醸造用二条大麦を育成するための中間母本として有用である。
背景・ねらい 醸造用二条大麦は蛋白質含有率が高すぎると麦芽エキスの低下や麦芽の溶けの不良,麦汁濾過の遅延,ビールの混濁等を引き起こし,醸造原料として適さなくなるので,適正範囲は9.5~11.5%と定められている。北関東地方の主産地では高蛋白質化がしばしば問題になっており,そのような地域でも蛋白質含有率が高くならない低蛋白質品質の育成が望まれている。
アメリカ合衆国の六条大麦品種「Karl」は低蛋白質であることが知られているが,六条,晩生,長稈,縞萎縮病罹病性であるため,日本の栽培条件に合わず,日本の醸造用二条大麦の交配母本としてもきわめて使いにくい。そこで,Karlの低蛋白質性を有し,日本の醸造用二条大麦の交配母本として使いやすい中間母本の育成を行った。
成果の内容・特徴 本系統はKarl/野洲二条3号(後のさつきばれ)のF1に吉系8(後のニシノゴールド)を交配し,派生系統育種法で育成された低蛋白質醸造用二条大麦中間母本である。この系統の主な特性は次のとおりである。
  1. 特定形質:原麦蛋白質含有率(9年間平均)は,標準品種ミカモゴールデン(12.5%)より2.1%低い10.4%であり,年次や栽培条件が異なってもほぼ同程度の差がある。他の多くの品種系統と比較しても低い。
  2. 形態的特性:叢性は直立,稈長は中,稈の太さは中,穂型は矢羽根,穂長は短,粒着は密,芒長は中,千粒重は中,原麦粒の見かけの品質は中の下である。
  3. 生態的特性:播性はI,出穂期は早,成熟期はやや早,耐倒状性は弱,収量性はやや多,整粒歩合は中,縞萎縮病抵抗性は極強,うどんこ病抵抗性はやや弱である。
  4. ビール醸造品質:麦芽エキスは極多,麦芽全窒素と可溶性窒素は極少,コールバッハ数はやや大,ジアスターゼ力は中,全窒素当りジアスターゼ力は大,最終発酵度はやや多で,麦芽品質の総合評点はミカモゴールデンより優れる。
成果の活用面・留意点
  1. 蛋白質含有率が高くなりやすい地帯に適した低蛋白質醸造用二条大麦品種を育成するための中間母本として有用である。
  2. 本系統は耐倒状性が弱いので,交配相手の選定に当たっては耐倒状性に留意すること。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010014364
カテゴリ アスター 育種 萎縮病 うどんこ病 大麦 栽培条件 抵抗性 品種

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