楕円フーリエ法による生物輪郭形状の評価手法

タイトル 楕円フーリエ法による生物輪郭形状の評価手法
担当機関 農業環境技術研究所
研究課題名
研究期間 1992~1996
研究担当者
発行年度 1994
要約 葉形や粒形などの二次元射影の輪郭形状を定量的に評価する方法を開発した。輪郭を楕円フーリエ係数で近似し、さらにその係数を対象のサイズ、回転、移動、計測開始点について不変な係数に標準化する。次に、標準化係数を主成分スコアに縮約し対象の形状の定量的評価基準とする。
キーワード 葉形、粒形、二次元射影、輪郭形状、楕円フーリエ係数、標準化係数、定量的評価基準
背景・ねらい 作物の葉形や粒形などは、分類学上はもとよりしばしば実用上重要な形質であり多くの場面で評価の対象となっている。しかし、それらの多くは縦横比など単純な場合を除き、「太い」、「細い」、「丸い」、「角張っている」等、定性的な評価基準に依存しているにすぎない。本研究は楕円フーリエ記述子(図1)に基づいて、葉形や粒形の定量的評価手法を画像解析やSASシステム等を組み合わせながら開発したものである。
成果の内容・特徴
  1. 葉や種子のスライド写真または、テレビカメラからの直接入力による画像をデジタル化し光ディスクに保存した上で、対象の輪郭を抽出するプログラムをC言語で作成した。本プログラムは画像処理装置に依存するプログラムである。
  2. 上で得た輪郭データから、対象のサイズ、回転、移動、フーリエ係数演算の計測開始点について不変な標準化フーリエ係数を求めるプログラムを作成した。本プログラムはC言語で記述した。画像処理装置とは独立なプログラムである。不変化は、第1調和楕円(図2)を基準とし、その中心で移動、長軸長でサイズ、長軸方向で回転、長軸方向の位相のずれで計測開始点を標準化した(図1)。この標準化によって、異なる対象のフーリエ係数の直接比較が可能となる。
  3. 対象群内の標準化フーリエ係数の平均で定義される形状を、対象群の「平均形状」とした(図3)。
  4. 標準化フーリエ係数の主成分スコアによって、形状変異に関する情報を縮約し、形状変異の構造を視覚的に説明可能にした(図4)。演算はSAS/IMLによった。
  5. 以上の手法で、ダイズの葉形と粒形、ソバの粒形、ダッタンソバの粒形、水稲籾形状、チョウジ葉形等の解析を行い、遺伝変異と環境変異の評価、品種・系統判別、QTLマッピング等を行い成果を上げている。
成果の活用面・留意点
  1. 標準化楕円フーリエ係数の算出は閉じた輪郭であればいかなる対象にも応用可能。
  2. 輪郭抽出プログラムは画像処理装置(HRU-TAICHI IV80)用である。標準化楕円フーリエ係数算出プログラムは、複数の機種やOS対応版(Windows版、IBM/DOS版、98DOS版)を作成した。後者はバイナリコードを公開準備中である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010014170
カテゴリ 画像処理 そば 大豆 評価基準 品種

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