タイトル |
サイレージ用トウモロコシ一代雑種の耐倒伏性に優れる新親自殖系統「Mi101」 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究課題名 |
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研究期間 |
1996~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
サイレージ用トウモロコシの親自殖系統「Mi101」(エムアイヒャクイチ)は、中生のセミデント種で、耐倒伏性に優れ、組合せ能力が高い。耐倒伏性に優れる春播き用の一代雑種の親系統および晩播・夏播き用の一代雑種の親系統として利用できる。
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キーワード |
トウモロコシ、自殖系統、一代雑種の親系統、耐倒伏性、飼料作物育種
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背景・ねらい |
トウモロコシの栽培品種は、形質の固定した自殖系統どうしを交配した一代雑種(F1)である。F1には、収量などに雑種強勢が現われるほか、耐病性・茎葉TDN含量などには両親の形質が受け継がれるため、優良F1品種の育成には優秀な自殖系統の育成が不可欠である。とくに九州地域では、台風の接近により倒伏被害を受けやすいため、耐倒伏性に優れるF1品種が必要である。そこで、九州地域に適したF1品種の親として、組合せ能力が高く諸形質に優れた自殖系統を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 晩播用改良集団から選抜した個体「RD96-12」から、耐倒伏性、ごま葉枯病抵抗性などについての選抜と自殖により育成した自殖系統である。
- 早晩性は「Mi44」並で(表1)”中生”に属する。
- 稈長と着雌穂高はいずれも「Mi91」および「Mi44」より低く、稈径は「Mi91」並で「Mi44」より太い(表1)。雌穂は先端円錐型で、粒列数は平均13.8列、粒は橙色で丸形である。
- ごま葉枯病抵抗性は”やや強”、紋枯病抵抗性は”強”である(表2)。耐倒伏性は、「Mi91」および耐倒伏性が最も強い早生の「Mi47」並で「Mi44」より強い(図1)。
- 採種性は、実収量で30.8kg/aであり実用的な水準にある。花粉飛散程度は「Mi91」よりやや少なく「Mi44」より多い(表1)。
- 組合せ能力は高い。本系統を種子親とする単交雑F1系統「九交142号」は、春播き栽培において耐倒伏性に優れ、同熟期の普及品種と比べてTDN収量が高い。本系統を種子親とする単交雑F1系統「九交146号」は、晩播・夏播き栽培において南方さび病に強く、同熟期の普及品種と比べてTDN収量が高い(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- サイレージ用トウモロコシの春播き用から晩播・夏播き用までのF1品種の親系統として幅広く利用できる。
- ワラビー萎縮症抵抗性については不明であるため、夏播き用の単交雑F1育成時の交配相手にはワラビー萎縮症抵抗性の強い系統を用いる。。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010013915 |
カテゴリ |
育種
ごま
飼料作物
抵抗性
とうもろこし
品種
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