タイトル |
ウシの乗駕行動を指標とした発情モニタリングシステムの開発 |
担当機関 |
大分農林水産研畜産 |
研究課題名 |
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研究期間 |
2007~2008 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
赤外線センサー、Webカメラおよびインターネットによる発情モニタリングシステムの開発および活用により、ウシの乗駕行動が正確に検知でき、効率的な発情発見が可能となる。
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キーワード |
ウシ、発情、授精、乗駕、モニタリング
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背景・ねらい |
乳牛において分娩間隔が長くなり生産性の低下が懸念されている。その原因の一つとして、近年酪農において飼養規模の拡大が進み、1頭当たりの監視時間の減少による発情発見率の低下が考えられる。効率的な酪農経営を行うためには、発情を的確に発見し、授精適期に人工授精することで分娩間隔を短縮することが重要である。 そこで、多頭飼育で採用されているフリーストール飼養乳牛群の効率的な発情発見方法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 赤外線センサーを牛房の両端の高さ190cm、幅180cm間隔に設置することで、ほぼ全ての乗駕を感知できる(図1、表1)。感知すると登録した携帯電話へメールで通報する。同時にWebカメラと自動録画装置により、乗駕前後(前5秒~後30秒)の状況を録画する。(写真1)。
- 乗駕回数、乗駕・被乗駕の識別、乗駕の経過時間等データの解析することで発情牛を特定し、乗駕された時を発情の開始として授精適期(一般的には発情から8~12時間後)を知ることができる。
- 牛に機器を取り付けることなく夜間でも常時遠隔監視できるため、牛に余計なストレスを与えず、管理する側にとって省力的に発情を発見することができる。
- 初期費用(機材および設置費用)以外に維持費用(インターネット接続料金、およびシステム使用料金)が必要である(表2)。
- 試験期間中発情を呈した3頭に人工授精を行い2頭の受胎が確認されている。
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成果の活用面・留意点 |
- 鳥の侵入や雷による誤作動を防ぐため防鳥ネットの設置や感度調整を行う必要がある。
- 乳牛は斑紋で個体識別が可能。和牛は識別可能な目印をつけることで活用できる。
- 限られたスペースに発情予定牛を集めると、より効率的な乗駕検知が可能である。
- 検知された乗駕行動データに加え、人による発情兆候観察との併用により、授精適期を見極める必要がある。
- Webカメラは昼間であれば、約20m程度まで斑紋の判別が可能。パドックのレイアウトを考慮しWebカメラの設置をする必要がある。
- 夜間は撮影できる程度の照明が必要である。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010013911 |
カテゴリ |
経営管理
乳牛
モニタリング
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