セジロウンカの加害でイネに抵抗性関連遺伝子が発現し抗菌物質も生成される

タイトル セジロウンカの加害でイネに抵抗性関連遺伝子が発現し抗菌物質も生成される
担当機関 茨城大農学部
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者
発行年度 2006
要約 セジロウンカに加害されたイネには病害に対する抵抗性が誘導されるが、この時、いもち病や白葉枯病の感染時と同様に抵抗性関連遺伝子が速やかに発現し、抗菌活性を持つファイトアレキシンも生成される。
キーワード セジロウンカ、誘導抵抗性、ファイトアレキシン、いもち病、白葉枯病
背景・ねらい セジロウンカの加害を受けたイネにおいて、糸状菌病であるいもち病や細菌病である白葉枯病に対する抵抗性が誘導されるという現象が確認されている。そこで、この抵抗性誘導現象のメカニズム解明のため、いもち病や白葉枯病の感染時に発現することが知られている抵抗性関連遺伝子の発現量をリアルタイムPCRで定量すると共に、いもち病に対して抗菌活性を有することが知られている2種類のファイトアレキシン、モミラクトンAおよびサクラネチンの量を、LC-MS/MSで定量する。
成果の内容・特徴 1.5葉期のイネにセジロウンカを6~48時間加害させ、いもち病や白葉枯病の感染時に発現することが知られている6つの抵抗性関連遺伝子の発現量をリアルタイムPCRで定量すると、そのうちの5つ(PR1a、PRb1、PBZ1、POX22.3、WRKY70)では、平均値で対照(無処理イネ)の3~10倍程度の発現の増加が見られる。しかも、いずれもセジロウンカの加害後12時間~24時間と短時間で発現しており、これは非病原性のレースを接種したときの反応に似ている(図1)。
2.しかしながら、非病原性レースの白葉枯病をイネに接種すると強く発現する遺伝子であるWRKY67発現量比については2倍未満と低い(図1)。
3.したがって、セジロウンカの加害を受けたイネの体内では、宿主植物と病原菌の関係が非親和性の場合のような激しい反応が起きていると考えられるが、イネに病原菌を接種したときに起こる反応とは同一ではない可能性が示唆される(図1)。
4.セジロウンカが加害したイネでは、いもち病に対して抗菌活性を有することが知られているファイトアレキシンであるモミラクトンAおよびサクラネチンが生成される(図2)。
成果の活用面・留意点 1.未解明な部分の多い、イネの病害に対する抵抗性誘導メカニズムの解明に寄与する成果であり、将来の新しい病害防除法の開発や耐病性品種の育種への応用が期待される。
2.昆虫の加害により、植物に抗菌活性を有するファイトアレキシンが生成される例は極めて珍しく、学術的および応用的観点からみて重要な知見である。
3.イネを加害する各種の昆虫(トビイロウンカ・ツマグロヨコバイ等)と病原体(糸状菌・細菌・ウイルス等)間の相互作用を明らかにする足掛かりとなる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010013648
カテゴリ 育種 いもち病 耐病性品種 抵抗性 防除

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