ポリオキシン剤の生育初期集中散布体系の継続による同剤耐性ナシ黒斑病菌の密度低下

タイトル ポリオキシン剤の生育初期集中散布体系の継続による同剤耐性ナシ黒斑病菌の密度低下
担当機関 佐賀県果樹試験場
研究課題名
研究期間 1990~2000
研究担当者
発行年度 2006
要約 ナシ黒斑病に対するポリオキシン剤の使用を生育初期の1か月に集中させ、その後は他剤を使用する防除体系を3年以上継続することによって本剤に対する耐性菌の密度は低下し、感受性菌密度の回復が促進される。
キーワード ナシ、黒斑病、ポリオキシン剤、耐性菌
背景・ねらい ナシ黒斑病に対してポリオキシン剤以上に優れた効果を示す薬剤は少ない。このため、同剤耐性菌の出現にともなって使用回数が制限されても、同剤に依存する傾向が続いていた。そこで、同剤の使用について検討し、散布時期を生育初期に限った場合には散布回数を極端に低減しなくても耐性菌密度の上昇が生じないことを明らかにした。しかし、これは同一年の生育期間中に限られた結果で、薬剤の淘汰圧が数年にわたって続くならば、同剤に対する耐性菌密度が上昇していくことが考えられる。そこで、前述の薬剤使用法による耐性菌密度の上昇抑制効果が栽培現場で実際に発現するのかどうかを追跡調査し、その有効性を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.ポリオキシン耐性ナシ黒斑病菌が分布している園において、同水和剤の使用時期を4月から5月の生育初期の約1か月間に集中させ(散布回数は3~5回)、その後は作用機作の異なる他剤を使用する散布体系を3年以上継続することによって、耐性菌密度が低下するとともに、感受性菌密度が回復する(図1)。
2.生育初期集中散布を開始して2年経過した時点で感受性菌密度の上昇がみられ、3年目以降になると感受性菌の増加と耐性菌の減少、それぞれの傾向が目立ってくる(図1)。このような傾向は本散布体系を適用する時点で、高度耐性菌率が50%を越えている園で顕著である(図2)。
3.4月から1か月おきに4回散布する体系では感受性菌密度は急速に低下する(図3)。
4.5月上旬時点におけるナシ黒斑病の果実での発生は5か年を通じ大部分の調査園で5%以下に抑制されており、防除効果の低下は認められない(データ略)。
成果の活用面・留意点 1.ポリオキシン耐性ナシ黒斑病菌が存在する園で、同剤耐性菌密度を上昇させることなく同剤の利用を図る場合に利用できる。
2.他の病原菌と薬剤の組み合わせについては試験例がなく、現時点では殺菌剤を特定の生育時期に集中的に散布して耐性菌密度の低下を図る手段を適用することはできない。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010013636
カテゴリ 耐性菌 防除 薬剤

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