水稲の早晩性と減農薬・基肥減肥条件下における適正な栽植密度

タイトル 水稲の早晩性と減農薬・基肥減肥条件下における適正な栽植密度
担当機関 土壌環境部
研究課題名
研究期間 2003~2005
研究担当者
発行年度 2006
キーワード 水稲、減農薬・減化学肥料栽培、栽植密度、トビイロウンカ
背景・ねらい 福岡県では、消費者の安全・安心志向に対応するため、減農薬・減化学肥料栽培の認証制度を制定し、米の認証基準(化学肥料由来の窒素成分が10a当たり3.625kg以下、化学農薬の成分が8成分以下であること)を定めた。減農薬のためには、病害虫の発生を減らすことが必要であり、施肥量の減量は有効な栽培技術である。しかし、施肥量の減量は生育量および収量の低下を伴う場合があるため、栽植密度の制御によって生育量および収量を安定させる必要がある。そこで、認証基準を満たした水稲の減農薬・減化学肥料栽培技術を確立するため、筑後平坦地の減農薬・基肥減肥条件下における栽植密度の違いが水稲の生育、収量と病害虫の発生程度に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 早生品種「つくしろまん」の減農薬・減化学肥料栽培(3.6+[2]+0)における栽植密度は、密植(25.2株/m2)では標準施肥・標準植(5+2+0,20.5株/m2)に比べて同程度のm2当たり籾数および収量が確保される。なお、疎植(13.3株/m2)ではm2当たり穂数および籾数の減少により低収となる(表1)。
  2. 晩生品種「あきさやか」の減農薬・減化学肥料栽培(1.6+[3]+2)における栽植密度は、疎植では標準施肥・標準植(5+3+2,20.5株/m2)に比べてm2当たり穂数は少ないが、1穂籾数の増加、登熟歩合の向上により多収となる。なお、密植では有効茎歩合の著しい低下によるm2当たり籾数の減少と登熟歩合の低下により低収となる(表1)。
  3. 紋枯病の発生は栽植密度の違いによる差異は認められない。一方、トビイロウンカの発生は幼穂形成期の乾物重と正の相関関係が認められ(データ省略)、幼穂形成期の乾物重が小さい疎植は発生密度が低い傾向を示し、多発年においても要防除密度(9月末で100頭/10株以上)以下であり、耕種的防除法の一つとして有効である(表2、図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 減農薬減化学肥料栽培の普及を図る上での基礎的知見として利用する。
  2. 本試験は、認証基準を満たした条件で実施している。なお、種子の温湯消毒、スクミリンゴガイによる除草を行い、育苗および本田では無防除を基本とする。また、穂肥に有機質肥料(菜種油かす)を利用している。
  3. 本試験を実施した平成16年、平成17年は、それぞれ台風、登熟期の高温寡照等の影響により平年に比べて収量レベルが低くなっている。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010013477
カテゴリ 育苗 温湯消毒 害虫 栽培技術 除草 水稲 スクミリンゴガイ 施肥 農薬 品種 防除

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