熱流束式水分センサーを利用した土耕トマトの高糖度生産技術

タイトル 熱流束式水分センサーを利用した土耕トマトの高糖度生産技術
担当機関 九州指月(株)
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者
発行年度 2005
要約 トマト土耕栽培において、熱流束式水分センサーを用いると、pFテンシオメーターでは測定が困難な低土壌水分領域のかん水自動制御ができ、水分設定値に応じた高糖度トマト果実の生産ができる。
背景・ねらい トマトの高付加価値化をねらった高糖度トマト栽培が注目されている。高糖度トマト栽培では土壌水分をpFテンシオメーターで測定できない低水分での管理となるため、そのかん水管理は生産者の経験と勘に頼られており、かん水のタイミングとなる指標値の設定と自動制御化が求められている。一方、福岡県工業技術センターにおいて生ゴミ等の水分を簡易かつ高精度に測定でき、しかも低コストな熱流束式水分センサーが開発され、農業分野での応用が期待される。
そこで、低土壌水分領域において、高精度な測定ができる熱流束式水分センサーを利用し、自動かん水制御による高糖度トマト栽培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 熱流束式水分センサーは、センサー内部に測定土壌を充填し畝に埋設する。センサーはヒーター加熱による温度上昇速度から含水率を算出し、含水率0~99%の範囲で測定できる(図1-a、図1-b)。
  2. 熱流束式水分センサーを用いると、土耕トマト栽培において設定値に応じたかん水自動制御が可能で、土壌水分をほぼ設定値に維持することができる。また、pFテンシオメーターの測定上限以上の低土壌水分領域においてもかん水自動制御ができ、トマト生育の個体変動も小さい(図2、図3、一部データ略)。
  3. 熱流束式水分センサー利用による土耕トマト栽培のかん水自動制御において、水分設定値を低くするほどトマト平均1果重が軽くなり可販果収量は減少するが、糖度は高くなり、慣行栽培の糖度が低下する4月以降においても、安定して高く推移する(図4、図5)。
成果の活用面・留意点
  1. 高糖度トマト栽培の安定生産技術資料として活用できる。
  2. 熱流束センサー内部に充填する土壌は2mm程度の網でフルイに掛けた細粒のものを用いる。
  3. 測定する土壌、培養土に応じて温度上昇速度と含水率(乾燥重量法)の相関係数を水分計に入力する必要がある。
  4. トマト定植後30日頃までにセンサーを埋設し、定植後60日(5~6段花房開花期)頃を目安に自動制御を開始する。
  5. 熱流束式水分計は九州指月(株)が販売しており、価格は1入出力型水分制御装置(センサ-1本含む)が約25万円である。
  6. 本データは10月下旬定植(促成作型)、地下水位が低い砂壌土畑での試験データである。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010013342
カテゴリ 乾燥 高付加価値 栽培技術 自動制御 低コスト トマト 水管理

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