ピーマン立枯病菌による実腐症状の発生と種子伝染

タイトル ピーマン立枯病菌による実腐症状の発生と種子伝染
担当機関 宮崎総農試
研究課題名
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 2004
要約 宮崎県の施設栽培ピーマンに発生したNectria haematococca complexによるピーマン立枯病は実腐症状を引き起こし、腐敗果由来種子により種子伝染する。
キーワード ピーマン、ピーマン立枯病、Nectria haematococca complex
背景・ねらい 1999年以降、宮崎県の施設栽培ピーマンに発生したNectria haematococca complexによるピーマン立枯病の発生圃場では実腐症状がみられ、腐敗部に同菌と類似した子のう殻を多数形成する。本症状が同菌によるものかどうかの検討と腐敗果由来種子の種子伝染性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 実腐症状は、腐敗は柱頭部から始まり果梗部に広がる場合が多く、表面には白色綿毛状の菌糸が表生するとともに赤色の子のう殻を形成する(図1)。腐敗果は早期に落果する場合もあるが、そのまま落下せずに乾枯した状態で残る場合もある。
  2. 立枯病発病圃場で採種した腐敗果由来種子を5ヶ月又は9ヶ月間ドライボックスで保存し、殺菌土に播種した結果、不発芽、出芽前立枯、苗立枯が高率に発生し、枯死までには至らない発病株は地際部の黒変や根の褐変がみられ、組織分離により同一性状の糸状菌だけが分離される。
  3. 5ヶ月間保存した種子を外観から良、中、不良の3段階におおよそ分けて殺菌土に播種した結果、不良種子は発芽率が非常に低く、高率に発病したが、外観上健全に見える良種子でも発病がみられる(表1)。
  4. 汚染種子上の病原菌は少なくとも9ヶ月以上生存し、高い病原性を保持することから、汚染種子は第一次伝染源として重要である(表2)。
  5. 立枯病発病株の地際部からの分離菌、腐敗果上の子のう殻、種子、発芽苗からのそれぞれの分離菌について、培地上の菌の形態観察およびピーマン果実および幼苗への病原性の検討を行った結果、全分離菌株とも形態的特徴、病原性もほぼ一致する(表3、表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 種子生産圃場で本病が発生している場合は、乾熱消毒の必要がある。
  2. 現在分類体系等の見直しが提案されており、Nectria haematococcaという学名は古いものになりつつあるので、ここでは複合種としてNectria haematococca complexと表記する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010013160
カテゴリ 施設栽培 立枯病 播種 ピーマン

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