スクミリンゴガイの親子判定に利用可能なアルビノ遺伝マーカー

タイトル スクミリンゴガイの親子判定に利用可能なアルビノ遺伝マーカー
担当機関 (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 2001~2002
研究担当者 遊佐陽一
発行年度 2002
要約 スクミリンゴガイの黄色型であるアルビノは褐色の野生型に対して劣性のメンデル遺伝に従う。アルビノ遺伝子をもつ個体は野生型と同等の生存率や繁殖力を有するため,アルビノを遺伝マーカーとした簡易な親子判定が可能である。
キーワード スクミリンゴガイ、アルビノ、遺伝マーカー、親子判定、精子間競争
背景・ねらい スクミリンゴガイは世界的な水稲の加害種であり,国内では西南暖地における被害が特に大きい。この貝の個体群管理のために繁殖を操作する技術の開発が望まれているが,繁殖特性の解明に有効な遺伝マーカーが知られていない。野外においては,体色が黄色のアルビノ個体(図1)が褐色の野生型に混じって最大1%程度出現する。そこで,遺伝マーカーとして利用するため,アルビノの遺伝様式を決定し,アルビノ遺伝子をもつ個体の繁殖力や生存率を測定する。さらに,アルビノを遺伝マーカーとした親子判定法を開発する。
成果の内容・特徴 1.
アルビノは野生型に対して劣性のメンデル遺伝に従う(表1)。アルビノの雌雄を掛け合わせるとF1,F2世代とも子孫はすべてアルビノになるため(表1),アルビノ系統が確立できる。
2.
アルビノ遺伝子をもつ個体は野生型の個体と同等の繁殖力および生存率を示す(表2)。特にアルビノの雄は野生型の雄と同等の授精能力をもつ(データ省略)。
3.
上記1より,アルビノの雌に野生型およびアルビノの雄を交配すると,孵化貝の体色から父親の判定が可能である。
4.
この親子判定法により,雌体内における精子置換の様相が調査可能である(図2)。アルビノと野生型の個体間で繁殖率や生存率に差がないので,アルビノと野生型の孵化貝の比率をそのまま精子置換率とみなすことができる。
成果の活用面・留意点 1.
遺伝マーカーとしての利用以外に,アルビノ個体では殻を通して精巣の有無が確認できる。このため,解剖せずに幼貝の雌雄が判別でき,効率的な雌雄の選抜が可能である。
2.
精子置換の知見は遺伝的防除や不妊化技術の開発に利用できる。
3.
野外においては,体色に働く自然選択のためにアルビノ個体と野生型個体の生存率が異なる可能性がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010012334
カテゴリ 水稲 スクミリンゴガイ 繁殖性改善 防除

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