カンショ塊根小切片からの不定芽形成の誘導と育苗への利用

タイトル カンショ塊根小切片からの不定芽形成の誘導と育苗への利用
担当機関 (独)農業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究課題名
研究期間 1997~2000
研究担当者 山下正隆
発行年度 2001
要約 カンショ塊根は内鞘部および木部の組織において不定芽を分化しうる。不定芽は、主に内鞘部において分化する。塊根を切断して得られた小切片を水洗し、30℃、高湿下で培養することで不定芽形成が誘導される。萌芽後、小植物体に生育させた小切片苗は、ほ場移植後は速やかに活着し、おう盛に生育する。
背景・ねらい カンショ栽培では農家の高齢化、輸入自由化に伴って省力化(軽労化)、低コスト化が急務とされている。現在、栽培作業の中で収穫の機械化は進んでいるが、育苗、移植の機械化が残された問題となっている。このため、丸イモあるいは分割イモを利用した直播栽培への機械化が検討されているが、収量、品質面での問題が残されている。本試験では、カンショ塊根を小さく切断して得た小片を疑似種子として扱い、これらの小片からの小植物体の育成手法およびその収量性について検討した。
成果の内容・特徴 1.
不定芽の分化は、主として、皮の直下に位置する内鞘部柔組織において生ずる。まれに木部内の二次分裂組織からも生ずる(図1)。
2.
内鞘部柔組織からの不定芽分化は、切片を十分水洗し、30℃でキュアリングした後、30℃、高湿条件下で培養することで誘導され、80%以上の萌芽率を達成することが出来る図2、表1)。
3.
不定芽を形成した小片は、適温下(25-30℃)で培養することにより、約30日で芽長約6cm、節数9節の苗(小苗)に、また、約50日で、芽長約20cm、節数14節の苗(大苗)に生育する。(図3)
4.
大苗、小苗はほ場移植後の活着が速やかで、生育はおう盛である。上イモ収量は、大苗が最も多収である(表2)。
5.
イモ形状は大苗が最も良好であり、250g前後で、くびれ、縦溝の少ない紡錘形を示す。(表2)
成果の活用面・留意点 1.
この育苗法による苗は、扱いやすく、活着も速やかなので機械移植への適用が可能と考えられる。
2.
原料用、青果用いずれにも適用でき、多収、高品質が期待できる。
3.
小切片からの萌芽性には、品種、貯蔵期間、イモの充実度などによる差が認められる。
4.
本技術の実用化には、効率的な小片切断装置、萌芽率80%以上を安定して達成する条件、効率的な育苗法、移植後の管理法等の検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010012242
カテゴリ 育苗 かんしょ 機械化 軽労化 省力化 直播栽培 低コスト 品種

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