南西諸島におけるミカンキジラミとゲッキツの分布

タイトル 南西諸島におけるミカンキジラミとゲッキツの分布
担当機関 国際セ
研究課題名
研究期間 1998~2001
研究担当者
発行年度 2001
要約 カンキツグリーニング病を媒介するミカンキジラミは、ミカン科のゲッキツが分布する奄美大島以南の南西諸島において恒常的に発生しているので、カンキツグリーニング病が未発生のこれらの島々では、本病の侵入に対する警戒が必要である。
背景・ねらい カンキツグリーニング病は、篩部に局在する細菌様微生物によって引き起こされるアジアの熱帯・亜熱帯地域におけるカンキツ類の重要病害で、罹病樹は矮化しやがて枯死する。わが国では1988年に西表島で確認されて以来、現在では沖縄県のほぼ全域で確認されている。本病は接木によって伝染するほか、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)により媒介されることが知られている。ミカンキジラミは南西諸島においては従来、奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、西表島から記録されていたが、分布の北限に関しては詳細に検討されていない。また、ミカンキジラミに寄生する天敵の分布の調査も行われていない。
ここではカンキツグリーニング病の分布拡大を予想したり防除対策を立てたりする上で重要と思われる媒介昆虫ミカンキジラミと、ミカンキジラミが最も好む寄主植物であるミカン科のゲッキツの分布の現状について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ミカンキジラミが最も好む寄主植物のミカン科のゲッキツは、南西諸島の中では奄美大島以南に一般的で、生垣などに好んで利用されているが(図2)、トカラ列島以北の南西諸島(トカラ宝島、トカラ中之島、屋久島)からは発見されなかった(図1)。
  2. ミカンキジラミ(図3)は、奄美大島以南の南西諸島で分布しているが、トカラ列島以北の南西諸島(トカラ宝島、トカラ中之島、屋久島)では寄主植物であるカンキツ類が栽培されているにもかかわらず発見されていない(図1)。
  3. ミカンキジラミの寄生性天敵であるミカンキジラミヒメコバチ(Tamarixia radiata)とミカンキジラミトビコバチ(Diaphorencyrtus sp.)は、奄美大島以南の南西諸島のほぼ全域に分布していることから(図1)、これらの地域では寄主であるミカンキジラミが恒常的に発生していると推察される。
成果の活用面・留意点
  1. 奄美大島以南の南西諸島では、ミカンキジラミが恒常的に発生していると考えられるため、カンキツグリーニング病の拡散に関して特に注意する必要がある。
  2. トカラ列島以北の地域においても、施設栽培のカンキツのように、新梢の発生頻度が高くなる条件では、ミカンキジラミが恒常的に発生する可能性があるので、同様に警戒する必要がある。
  3. ゲッキツの分布には、奄美大島以南の地域において、好んで垣根等に利用されているという文化的な背景があるが、少なくともカンキツ園の周辺ではミカンキジラミの発生源となるゲッキツを除去するのが望ましい。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010012178
カテゴリ 亜熱帯 施設栽培 防除 その他のかんきつ

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