八女分場型フルオープンハウスの開発と気象特性

タイトル 八女分場型フルオープンハウスの開発と気象特性
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究課題名
研究期間 1999~2001
研究担当者 月時和隆
林 三徳
発行年度 2000
要約 防虫網を組み込み天井部までビニル巻き上げ可能な、簡易なフルオープンハウスを開発した。このハウスの昇温抑制効果は、地上80cm以上では夏季晴天時の日中に気温で摂氏4度以上である。白冷紗は葉温で摂氏2~4度、地温で摂氏1~2度程度の昇温抑制に有効である。防虫網の目合いは、側面部1.0mmとし、天井部は1.0ないし2.0mmとする。福岡県農業総合試験場・八女分場・中山間地作物研究室
背景・ねらい 夏季高温期における施設野菜の安定生産のために、近年、フルオープンハウス(屋根開放型施設)に対する生産現場からの期待も大きく、幾つかの施設が紹介されている。一方、夏季の野菜生産では害虫の飛来が多く、減農薬栽培の技術確立が望まれている。そこで、フルオープンハウスの利用拡大と減農薬野菜生産を目的とし、防虫網及び遮熱資材を組み込んだビニル巻き上げ式の簡易フルオープンハウスを開発し、その気象特性を把握する。
成果の内容・特徴
  1. このフルオープンハウスは、天井部もビニル巻き上げができるようにし、強い光線量の時には遮熱資材(白冷紗等)を内張り被覆し、ハウスの側面部に目合い1.0mmの防虫網、天井部に1.0mmないし2.0mmの防虫網を組み込んだ単棟のパイプハウスである(図1)。
  2. 開発したフルオープンハウスは、側面に防虫網を付けた軟弱野菜用の慣行ハウスに比べて、換気性に優れ、特に夏季晴天日の日中において、施設内の昇温抑制効果が大きい。その効果は地上より高いほど顕著で、地上80cm以上では夏季晴天時の日中(9時から17時)には、気温摂氏4度以上の昇温抑制効果がある(図2)。
  3. 内張りした白冷紗の遮熱効果は、夏季晴天時に葉面温度で日中に摂氏1.8~4.4度、地温で日平均で摂氏1.0~2.4度程度の昇温抑制ができる(図3、図4)。
  4. 防虫網は通気性及び光線透過量などから1.0mmないし2.0mm目合いが適当である。0.8mm以下の目合いでは、被覆下の気温が上昇しやすく、光線透過量は少なく湿度は高く推移し、通気性が劣る。特に、降雨時は目詰まりにより通気性が一層悪くなる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 夏季に施設でチンゲンサイなどの野菜を栽培する場合に、昇温抑制や害虫防除の基本技術として活用できる。
  2. 天井部の防虫網の目合い1.0mmないし2.0mmは、対象作物と対象害虫を考慮し、適当なものを選択する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010011793
カテゴリ 害虫 中山間地域 チンゲンサイ 農薬 防除

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