精液賦活剤を利用した馬の繁殖期及び非繁殖期(秋)の繁殖

タイトル 精液賦活剤を利用した馬の繁殖期及び非繁殖期(秋)の繁殖
担当機関 熊本県農業研究センター
研究課題名
研究期間 2000~2002
研究担当者 川邊久浩
中畠吉直
福田晴夫
発行年度 2000
要約 馬の性ホルモンは季節を問わず定期的に動いており非繁殖期(秋)も充分受胎可能である。また、精液賦活剤(メチルキサンチン誘導体:ペントキシフィリン)を凍結精液融解時に添加することで、精液の活力と受胎率の向上が図れる。熊本県農業研究センター・草地畜産研究所
背景・ねらい 現在、農用馬の繁殖においては自然交配が主流であるが、1頭の種雄馬からの交配に限りがあること、また長距離移動が困難、交尾感染による伝染病の増加という問題点があり、優良馬改良面での大きな障害となっている。このため、牛のように凍結精液による人工授精技術を確立することは馬の改良・増殖のためには極めて重要な課題である。そこで、凍結精液を用いた人工授精時における精液賦活剤(メチルキサンチン誘導体:ペントキシフィリン、以下PTXと略)添加による精液活力・受胎率の向上法ならびに、性ホルモンの動態から非繁殖期における受胎の可能性について明らかにし、馬の繁殖率向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. 馬の性ホルモンは季節を問わず定期的な周期を示しており、非繁殖期(秋)においても、充分受胎可能である(図1)。
  2. PTXは、凍結精液融解作業(クエン酸ナトリウムやストレプトマイシン等を含むA液に10%スキムミルクのB液をA液:B液=1:1の割合で混合し、37度に保温する一連の作業)の最終段階で、融解液に0.67%含むように添加する。
  3. ストロー式・錠剤式を問わず、凍結精液融解時にPTXを添加することにより、精子生存指数、活力ともに向上させることができる。特に、融解直後の活力が向上する(図2、図3)。
  4. PTX添加による精子の異常等は認められない。
  5. ストロー式凍結精液でも融解直後にPTXを添加することにより、1時間以内であれば受精可能な精子活力を維持できる(図3)。
  6. PTXを利用した馬の人工授精により、繁殖季節における受胎率向上と同時に非繁殖期における高受胎率が期待できる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 非繁殖期には発情周期が長くなったり、発情は発現するが排卵に至らないものが見られることから、授精にあたっては、繁殖期以上に充分な卵巣状態の確認が必要である。
  2. PTXは人の顕微授精に使用されているもので、馬の人工授精にも有効であることは確認したが、牛、豚等の精液活力剤として応用できるか否かは検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010011750
カテゴリ 受胎率向上 繁殖性改善

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