簡易胚操作手法の開発による低ランク胚の受胎率向上

タイトル 簡易胚操作手法の開発による低ランク胚の受胎率向上
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究課題名
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 実体顕微鏡下で自作の簡易胚操作器具を用い、ウシ胚の透明帯を切開し変性部を除去する簡易胚操作手法を開発した。低ランク胚を簡易胚操作手法で処理すると、凍結移植後の受胎率は正常ランク胚と同程度である。また、除去した変性部は雌雄判定に利用できる。福岡県農業総合試験場・畜産研究所・大家畜部・畜産工学研究室
背景・ねらい ウシ胚採取時に質の低い胚(低ランク胚:変性部および遊離部が全胚細胞の30~50%を占める胚)が 2割程度採取されるが、低ランク胚は耐凍性が低いため、新鮮移植しない限り廃棄していた。当場では、低ランク胚を培養し凍結保存を可能としたが、移植成績は正常ランク胚に及ばず、より一層の受胎率向上には胚操作が必要とされる。しかし、胚操作に必要なマイクロマニピュレータは高価なうえ、操作が複雑であるため所有する採胚機関は少ない。そこで、簡易な胚操作手法を開発し、低ランク胚に処理を行い、凍結移植後の受胎率向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. 市販の使い捨て注射針および注射筒の針基部を接着し、23G注射針と針カバーを装着した非常に安価な簡易胚操作器具を自作した(図1の左)。
  2. 簡易胚操作器具を用い、実体顕微鏡下で、短時間に、しかも安い経費で、低ランク胚の透明帯を切開し、変性部が簡易に除去できる胚操作手法を開発した(図1、表1)。
  3. 透明帯切開および変性部除去した凍結低ランク胚の受胎率は正常ランク胚と同程度の50%であった(図1、表2)。
  4. 胚処理時に除去した変性部は、PCR法によって、正常部細胞と同程度の高率な雌雄判定が可能である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 簡易胚操作器具は、低ランク胚の透明帯切開、変性部除去および採胚時の胚検索などに利用することができる。
  2. 廃棄していた低ランク胚の有効利用技術として活用することができる。
  3. 0.2Mシュクロース添加PBS(金属不含)の50μlドロップのシャーレ底面に胚を固定し、簡易胚操作器具を用い透明帯を切開後、細く加工したパスツールピペットを利用し透明帯切開部から変性部を吸引する。
  4. 処理胚は0.1mMβメルカプトエタノールおよび20%牛胎子血清を添加したTCM199で24時間培養後、1.8Mエチレングリコールおよび20%子牛血清を添加したPBSの凍結液でプログラム凍結する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010011420
カテゴリ 加工 受胎率向上

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