施設トマトの管理温度とマルハナバチの利用時期

タイトル 施設トマトの管理温度とマルハナバチの利用時期
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究課題名
研究期間 1996~1998
研究担当者 月時和隆
山本幸彦
満田幸恵
発行年度 1998
要約 施設トマトでマルハナバチを利用して受粉する場合は、最低気温を摂氏15度に設定するとハチの活動が維持でき、着果が安定し、空洞果の発生が減少するため、商品収量が増加する。慣行の最低気温摂氏10度設定で栽培する場合は、最低気温が摂氏13度以下の期間はホルモン処理を併用することにより空洞果が減少する。福岡県農業総合試験場・園芸研究所・野菜花き部・野菜栽培研究室
背景・ねらい トマトの養液栽培では、虫媒受粉による着果促進のためにマルハナバチが利用されているが、冬期が低温・寡日照の福岡県では着果の不安定な時期がみられる。また、土耕栽培では一般的に最低気温が摂氏10度前後で管理されており、マルハナバチの利用可能な時期が不明である。そこで、本県の土耕栽培トマトにおける管理温度、ホルモン処理、マルハナバチの利用時期と収量、品質の関係を明らかにし着果安定と高品質生産技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. マルハナバチは、最低気温を摂氏15度以上に確保すれば冬期間にも利用できる。慣行の最低気温摂氏10度設定の場合は、最低気温が摂氏13度を下回る時期はホルモン処理を併用する必要がある(表1、一部データ略)。
  2. 活動するハチの頭数は、最低気温摂氏15度設定のハウスでは摂氏10度設定のハウスよりも多い。また、活動頭数の低下は摂氏15度設定ハウスが摂氏10度設定ハウスよりもゆるやかであり、ハチの活動期間が長くなる(表2)。
  3. 最低気温を摂氏15度に設定すればマルハナバチ利用でも、ホルモン処理を行った場合と同等に着果が安定する。また、空洞果が減少し商品収量が増加する(表3)。
  4. マルハナバチを利用する場合の最低気温を摂氏15度に設定すると、摂氏10度設定の場合よりも商品収量が多くなる(表4)。
  5. 慣行の最低気温摂氏10度設定ハウスでは定植後にハチを導入し、加温開始前のハウス内最低気温が摂氏13度以下になる時期からホルモン処理を併用することで、ホルモン処理のみを行った場合に比べて種子数が多くなり、空洞果の発生が低下し商品収量が多くなる。最低気温摂氏15度設定ハウスで常時ハチを利用した場合に比べると同等の商品収量となる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 主要野菜の栽培技術指針等に掲載し活用する。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010011193
カテゴリ 高品質生産技術 栽培技術 受粉 トマト マルハナバチ 野菜栽培 養液栽培

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