ビール大麦「関東二条25号」のCホルデイン遺伝子型と麦芽品質およびうどんこ病抵抗性との関係

タイトル ビール大麦「関東二条25号」のCホルデイン遺伝子型と麦芽品質およびうどんこ病抵抗性との関係
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究課題名
研究期間 1998~1998
研究担当者 古庄雅彦
山口修
馬場孝秀
発行年度 1998
要約 近年育成されたビール大麦の種子貯蔵たん白質Cホルデイン遺伝子型は6種類に分類でき、Br型、Cl型をもつ系統の麦芽品質が優れている。Cl型とうどんこ病抵抗性および麦芽品質とは関連があり、「関東二条25号」はCホルデインCl型-うどんこ病抵抗性-高ジアスターゼ力の良質連鎖ブロックを構成している。福岡県農業総合試験場・二条大麦育種指定試験地
背景・ねらい ビール大麦の育種過程における麦芽品質の分析には、多大な労力、時間並びに多量(60g以上)のサンプルを要し、分析は中期世代以降の系統に限られている。このため、麦芽品質の選抜は他の農業特性より遅れ、農業特性と麦芽品質を同時に選抜することは困難である。そこで、簡易・迅速な手法としてドデシル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)を用いてビール大麦種子貯蔵たん白質ホルデインを分析し、高品質を示すサブユニットを選抜指標として高醸造適性系統を早期選抜するために活用する。
成果の内容・特徴
  1. 近年育成されたビール大麦系統は、SDS-PAGE泳動パターンのうちCホルデイン(分子量49,000~72,000)に多型が見られ、Br、Cl、Ha、Ma、Pr、Miの6種類の遺伝子型に分類できる。また、各遺伝子型間で麦芽品質の統計解析を行うと、コールバッハ数、ジアスターゼ力、最終発酵度および総合評点が1%または0.1%水準で有意であり、Br型とCl型が麦芽品質に優れている(表1)。
  2. 組換え自殖系統(RILs)および半数体倍加系統(DHLs)の計2組合せのCホルデイン遺伝子型は、両親の遺伝子型で1:1に分離する。また、RILsのうどんこ病は抵抗性:感受性が1:1に分離するが、DHLsのそれは5%で有意な分離の歪みが認められる。RILsの組合せにおいてCホルデイン遺伝子Cl型とうどんこ病抵抗性遺伝子とは組換価2.6±1.5%で連鎖し、DHLsの組み合わせのそれは組換価9.7±3.8%で連鎖している(表2)。
  3. それぞれの組合せで両親のCホルデイン遺伝子型に分けて麦芽品質のt検定を行ったところ、RILsの交配組合せでCl型をもつ系統がジアスターゼ力、総合評点で有意に高く、関東二条25号はCl型-うどんこ病抵抗性-高ジアスターゼ力(配列順は不明)の良質連鎖ブロックを構成していると考えられる。また、Cl型は農業特性には影響しない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. Cホルデイン遺伝子Cl型を指標として、初・中期世代での麦芽品質の選抜に用いる。
  2. 同程度の麦芽品質の交配組合せではジアスターゼ力に有意差がでないことがあるので、組合せの作成にあたっては麦芽品質の差が大きい交配親を用いる。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010011079
カテゴリ アスター 育種 うどんこ病 大麦 抵抗性 抵抗性遺伝子

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