硬質小麦のピュロインドリン遺伝子型は子実硬度や加工適性に影響する

タイトル 硬質小麦のピュロインドリン遺伝子型は子実硬度や加工適性に影響する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 2007~2007
研究担当者 高田兼則
池田達哉
谷中美貴子
石川直幸
松中 仁(作物研)
発行年度 2008
要約 小麦子実の硬軟質性に関係するピュロインドリン対立遺伝子は硬質小麦の子実硬度や製粉歩留、小麦粉粒度、損傷デンプン含量に影響し、これらはピュロインドリン蛋白質の発現と関係がある。ピュロインドリン蛋白質の二重欠失は子実硬度が高く、小麦粉粒度が大きく、損傷デンプンが多い。
キーワード コムギ、硬軟質、ピュロインドリン、硬度、損傷デンプン
背景・ねらい
小麦の硬軟質性は製粉性や吸水性、パン生地の発酵性などの小麦の加工適性に関係する重要な形質の一つである。6倍体コムギの硬軟質性はDゲノム第5群染色体短碗(5DS)末端に座乗するHa遺伝子座の2つのピュロインドリン遺伝子(Pina,Pinb)によって決定されており、硬質の表現型に対しては複数の対立遺伝子が発見されている。小麦の子実硬度は品種によって異なるが、遺伝子型との関係は十分には明らかになっていない。そこで、硬質性の対立遺伝子が小麦加工適性へ与える影響について、ピュロインドリン遺伝子の準同質遺伝子系統を育成してその効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 開発した準同質遺伝子系統は、軟質小麦「ふくほのか」に硬質の5種類のピュロインドリン遺伝子を導入した系統(BC6世代)である(表1)。
  2. 子実硬度、小麦粉粒度、損傷デンプン含量は遺伝要因と環境要因(栽培地)の両方の影響を受ける(表2)。
  3. Pina,Pinb遺伝子の二重欠失でPIN-a, PIN-bが発現しないPina-D1k は、子実硬度が高く、小麦粉粒度が粗く、損傷デンプンが多い。一方、PIN-a, PIN-bの両方が発現するPina-D1a, Pinb-D1bは、子実硬度が低く、小麦粉粒度が小さく、損傷デンプンが少ない(表3)。
  4. 製粉歩留は、子実の硬いPina-D1k(PIN-a, PIN-b二重欠失)やPina-D1b(PIN-a欠失)がPIN-aを発現するPinb-D1b,Pinb-D1c,Pinb-D1pよりも低い傾向にある(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. ピュロインドリン遺伝子型は製パンなどの加工用途に対応した選抜指標として利用できる。特に二重欠失型は、パン生地の炭酸ガス発酵量に関係する損傷デンプンが多く、製パン性の向上が期待できる。
  2. 製粉歩留が低かったPina-D1bも実用上は問題のないレベルである。
  3. 本研究は福山とつくばの2ヶ所で栽培し、ブラベンダーJr.試験製粉機を用いた結果である。
  4. 遺伝子型の加工品への影響についてはさらに分析を行う必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010822
カテゴリ 加工 加工適性 小麦 品種 ラベンダー

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