タイトル |
メロン根域制限栽培のための防根透水シート埋設機 |
担当機関 |
高知農技セ |
研究課題名 |
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研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
橋田祐二
玖波井邦昭
小松秀雄
新田益男
武井 久
澁谷和子
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発行年度 |
2007 |
要約 |
メロン根域制限栽培の防根透水シート埋設作業において、作溝からシート固定までの4工程を1工程で行えるシート埋設機である。本機を用いると、従来の埋設作業を大幅に省力化でき、メロン根域制限栽培は、慣行、少量培地量ともに冬作、春作および夏作の各作型での高品質安定生産に適応できる。
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キーワード |
メロン、根域制限栽培、防根透水シート、埋設機、機械化、省力化、連作障害
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背景・ねらい |
高知県のハウスメロンは、そのほとんどが地床栽培で、年間2~3作栽培するため、難防除病害虫による連作障害の発生が問題となっている。一方、防根透水シートを利用した根域制限栽培法は、品質向上効果が高く、連作障害の回避も可能なことから一部の産地で導入されている。しかし、シート埋設作業は機械化されておらず多くの労力を要するうえに、シート内土戻し作業では作業補助者が管理機の耕耘爪のすぐ横をシートを押さえながら移動する必要があるため危険であることなどから県下的な広まりには至っていない。そこで、シート埋設機(以下、開発機)を機械メーカーと共同で開発し、ハウスメロン栽培への適応性を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発機の概要と埋設方法
1)開発機は管理機本体と作業機で構成されている(図1)。 2)開発機は耕耘爪と溝整形器で作溝し、防根透水シート保持部から溝上に伸張されるシートの中央部をスポンジタイヤで、両端部をガイドシャフトで垂直方向に押さえる。その後に覆土ディスクでシートの両端部に覆土しながら内部に少量の土を落としシートを固定する。 3)その後汎用管理機で通路の土をシート内へ戻し、手作業でうねを整地し、栽培床を作る。 - 開発機を用いることで、慣行作業の全6工程のうち作溝からシート固定までの4工程を1工程で行うことができる(表1)。
- 培地形状は少量培地(平均幅40cm×深さ15cm)から慣行培地(平均幅50cm×深さ20cm)までの範囲に対応できる。
- シート埋設作業速度は少量培地が分速3.6m、慣行培地が分速3.0mで、10a当たりの延べ作業時間は少量培地で約9時間、慣行培地で約13.5時間となり、従来の約48時間に比べ大幅な省力化が図れる(表1、2)。
- 開発機を用いた少量培地および慣行培地は冬作、春作、夏作の各作型での高品質安定生産に適応できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 開発機はハウスメロン栽培に適応する。
- 作業精度は土壌条件の影響を受けるため、事前に圃場を均平に耕耘し、土壌水分は目安として軽く握って土塊ができる状態に調整する。
- 開発機は基本的に1人で作業できるが、シート交換時には補助作業者が必要である。
- うねの両端では機械設置溝の作製とシート端押さえ、シート交換時にはシートの運搬・交換・継ぎ合わせ・端押さえの各作業を手作業で行う必要がある。
- 開発機は平成17年3月より定価約60万円(管理機本体を除いた作業機は定価約22万円)で市販されている(平成19年9月現在)。
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カテゴリ |
害虫
機械化
省力化
春作
防除
メロン
連作障害
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