トウガンの新病害「褐色あざ病」(新称)

タイトル トウガンの新病害「褐色あざ病」(新称)
担当機関 岡山農総セ
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 川口 章
井上幸次
那須英夫
久保田真弓(岐阜大学)
百町満朗(岐阜大学)
発行年度 2006
要約 露地栽培トウガンの果実に発生したかさぶた症状による障害はリゾクトニア属菌による新病害で、 褐色あざ病と提案する。
キーワード トウガン、褐色あざ病、Rhizoctonia solani
背景・ねらい 岡山県南部の露地栽培トウガンの果実にかさぶた症状の障害が発生したので、原因究明を行い対策に 資する。
成果の内容・特徴
  1. 本症状は6月中旬ごろから発生する。果実の症状は初め、茶色でややへこんだ病斑を生じた後、 次第に盛り上がり、数ミリから大きいもので3~5cm程度で不定形の淡褐色斑を生じる (図1、2)。激しいものでは実に数十個のかさぶたが形成されるが、褐変はごく表層部に限られ、果実の腐敗には至らない。 また、茎、葉には症状が認められない。
  2. 果実の病斑からはRhizoctonia属菌が高率に分離される。分離菌はいずれも有傷および 無傷接種でトウガンの果実に原病徴が再現される(表1)。 また、接種部位からは接種菌と同一の菌が再分離される。
  3. 本菌はPDA培地上で初め灰白色、やがて茶褐色を呈する菌叢であり、分生子を生じず、黒褐色、 球形ないし不定形で大きさ約2~3mmの菌核を形成する(図3)。 10~35℃で生育し、最適生育温度は25~30℃である。PDA培地上での菌糸の形態の特徴は、分岐点近くに 隔壁を有し、分岐点でくびれており、菌糸幅は6.0~9.0 (平均8.4)μmであり、核染色法による 菌糸1細胞中の核数は多核である。また、基準菌を用いた菌糸融合群の調査から本分離菌は菌糸融合群 AG4に属し、培養3週間後の菌叢(図3)はいずれも褐色を呈して 培養型HG-Iに類似し、しもふり状のHG-Ⅱとは明らかに異なる。以上のことから、本分離菌を Rhizoctonia solani AG4 HG-Iと同定する。
  4. R. solani AG4 HG-Iによるトウガンの病害は本邦未記録であり、本病をトウガン 褐色あざ病と提案している。
成果の活用面・留意点
  1. 果実が土壌に直に接している部分に発病が多い。
  2. 高温多湿条件は本病の発病を助長する。
  3. 平成16年度日本植物病理学会関西部会にてトウガン実褐斑病と命名提案したが、本病の症状である 不定形な褐色のかさぶた症状を表現するには「あざ」が適当であると考えることから、病名を改める。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010648
カテゴリ とうがん

この記事は