マウス生体内組織における抗酸化成分の蛍光染色を用いた活性評価法の開発

タイトル マウス生体内組織における抗酸化成分の蛍光染色を用いた活性評価法の開発
担当機関 大阪食技セ
研究課題名
研究期間 2005~2005
研究担当者 髙井雄一郎
橘田浩二
杉本憲治(大府大)
藤谷泰裕
発行年度 2006
要約 活性酸素種に特異的な蛍光プローブ、2’,7’-dichlorofluorescein (DCFH)による染色法は、 マウス肝臓の凍結切片における活性酸素種の発生状態を視覚的かつ量的に評価できる。また本法は、 生体内における食品中の抗酸化成分の活性評価法に活用できる。
キーワード 抗酸化成分、活性酸素種、蛍光染色、肝臓、2’,7’-dichlorofluorescein (DCFH)
背景・ねらい 活性酸素種(ROS)から生体を防御する効果、いわゆる抗酸化能をもつ食品成分の中で、実際の生体内での 効果が明らかなものは少なく、動物を用いた試験で効果を確認することが重要である。しかし、生体内での ROSの発生状況を検出する方法は限られており、新しい検出方法が必要とされている。本研究では、マウスから 摘出した肝臓の凍結切片をROSに特異的な蛍光プローブ、2’,7’-dichlorofluorescein (DCFH)で染色し、 生体内でのROSの発生状態を把握する手法を開発する。また、代表的な抗酸化成分として、ソバなどに多く 含まれるルチンをマウスに腹腔内投与し、抗酸化成分の生体内における効果の評価にDCFH蛍光染色を応用する。
成果の内容・特徴
  1. 肝臓でROSを発生させることが知られている四塩化炭素をマウスに皮下投与し、酸化誘導を行う。 このマウスの肝臓凍結切片を100 mMのDCFH水溶液に37℃で15分浸漬して染色し、蛍光観察すると (図1B)、酸化誘導をしていないマウスの肝臓 (図1A)に比べて蛍光強度が高いことで、四塩化炭素投与マウスの 肝臓におけるROSの発生を確認できる。
  2. ルチンを投与したマウス(図1D)では、投与しないマウス (図1B)に比べて肝臓凍結切片の蛍光強度が低く、 ルチン投与により、肝臓中におけるROSが減少することを示している。
  3. 肝臓に障害が発生すると血中に漏出するalanine aminotransferase (ALT)および aspartate aminotransferase (AST)活性が四塩化炭素の投与により増加し、また、ルチン投与区では 活性増加の軽減が認められる(図2右)。この結果は、蛍光染色に よる結果と一致する。
  4. 酸化誘導および、ルチン投与による肝臓中の過酸化脂質量(TBARS)の増減は、蛍光強度の増減と よく似た傾向を示している(図2左)ことから、本課題で開発した 蛍光染色法は、生体内における抗酸化活性の把握に有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 1. 本課題で開発した蛍光染色法により、蛍光顕微鏡画像上でROSの発生組織を観察できることから、TBARS法などでは把握できなかった、組織中のROSの分布を知ることができる。
  2. 2. 肝臓以外の組織に本手法を適用し、組織特有のROS発生パターン等を詳細に検討することで、生体内の抗酸化成分の効果についてより詳しい情報を得る必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010604
カテゴリ そば 評価法

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