ウメ幼木期の土壌タイプ別養水分特性

タイトル ウメ幼木期の土壌タイプ別養水分特性
担当機関 和歌山農総技セ
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 岡室美絵子
桑原あき
土田靖久
発行年度 2006
要約 和歌山県ウメ産地の代表的な4種類の土壌のうち、岩屑土は乾燥しやすいのでかん水間隔を短くする 必要があり、窒素の溶脱は比較的少なく、塩基類の溶脱は多い。灰色低地土は気相が少なく液相が多いため 根の酸素不足による障害を受けやすい。黄色土は肥料成分の溶脱が少ない。樹体生育は褐色森林土が最も 優れる。
背景・ねらい 和歌山県のウメ産地の土壌は主に褐色森林土および黄色土、山地を切り開いて造成した園の岩屑土、 水田転換園の灰色低地土と4種類に分類される。ウメ樹体の適切な管理のためには栽培土壌に応じた水管理、 肥培管理が必要である。そこでライシメーター施設を用いて、幼木期のかん水頻度、かん水量、肥料成分の 溶脱特性と樹体の生長を調査し、土壌特性に応じた栽培管理に役立てる。
成果の内容・特徴
  1. 灰色低地土は無機態窒素含量が最も多い。一方岩屑土は無機態窒素および交換性塩基含量が最も 少ない。レキ率は岩屑土が最も高く、灰色低地土が最も低い。CECは黄色土が最も高く、岩屑土が最も 低い。土壌の三相分布では岩屑土は液相率が低く、反対に灰色低地土は液相率が高く、気相率が低い (表1)。
  2. 夏季のかん水間断日数は、岩屑土は4~5日で、他の土壌の5~12日に比べて短い (図1)。また、1回のかん水量を20mmとすると岩屑土では かんがい水の地下への浸透量が他の土壌に比べて多いことから (表2)、岩屑土は夏季の保水力が最も低く、次いで黄色土および 褐色森林土、灰色低地土の順に高くなる。
  3. 土壌中の無機態窒素含量が多い灰色低地土は地下への窒素溶脱量が最も多い。一方、 無機態窒素含量の少ない岩屑土および黄色土は地下への窒素溶脱量が比較的少ない (表1、2)。
  4. 塩基類の地下浸透水への溶脱は、土壌中交換性塩基類が少なくCECの小さい岩屑土で最も多く、 塩基類含量が比較的多くCECの大きい黄色土で最も少ない (表1、2)。
  5. 樹体生育は褐色森林土で最も旺盛である。一方灰色低地土は低い気相率による根の酸素不足が原因と 思われる葉の黄化、落葉、新梢伸長抑制などの樹勢低下症状を示し(データ省略)、岩屑土は 新梢伸長量が少ない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 未結果幼樹のウメの養水分管理に活用できる。
  2. 岩屑土はかん水や肥料成分の不足に留意する必要がある。灰色低地土は土壌中の気相確保に努める 必要がある。
  3. 本試験は土壌の特性を明確にするため、堆肥等土壌改良材を施用しない土壌で実施している。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010592
カテゴリ うめ 乾燥 栽培技術 水田転換園 土壌改良 肥培管理 水管理

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