イチジク株枯病抵抗性台木「Ischia Black」の選抜

タイトル イチジク株枯病抵抗性台木「Ischia Black」の選抜
担当機関 大阪食み技セ
研究課題名
研究期間 2004~2005
研究担当者 細見彰洋
瓦谷光男
古川 真
発行年度 2006
要約 主要イチジク品種「桝井ドーフィン」の台木として品種「Ischia Black」を用いると、 イチジク株枯病汚染圃場でも枯死を回避できる。この接ぎ木苗は自根樹に比べていや地現象の影響も 受け難いため、本病による枯死株の抜根跡地に定植可能で、樹勢の確保により、良好な果実生産を行える。
キーワード イチジク、イチジク株枯病、抵抗性台木、接ぎ木、いや地
背景・ねらい イチジク産地では、土壌病害であるイチジク株枯病(以下、株枯病)が蔓延し、廃園が続出するなど 深刻な問題となっている。そこで、株枯病抵抗性が期待されている「Celeste」、「Negronne」、「Boldido Negra」、 「Ischia Black」の各イチジク品種から、主要品種「桝井ドーフィン」の台木として用いることを前提に、 確実な防除効果と良好な果実生産性を両立できる品種を選抜する。そして、抵抗性台木を用いたイチジク 株枯病防除技術の実用化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 株枯病汚染圃場では、自根や「※Zidi」台の「桝井ドーフィン」が、定植3年以内に4~5割の株が 枯死するのに対して、供試品種を台木とする「桝井ドーフィン」は、明らかに枯死率が低い。特に 「Ischia Black」や「Boldido Negra」を台木とした場合、ほとんど枯死しない (図1)。
    ※「Zidi」はいや地対策用に選抜された強勢台木で、本病に対してはり病性。
  2. 「Ischia Black」および「Negronne」台「桝井ドーフィン」は、健全圃場においては、自根樹以上の生育が 期待できる。この内、「Ischia Black」台「桝井ドーフィン」は、株枯病汚染圃場やいや地圃場でも、 自根樹以上の樹勢を確保できる(表1)。
  3. 樹体生育条件の良否(健全圃場及びいや地圃場)にかかわらず、樹勢の増強に伴って果実肥大が 促進される傾向は、「Ischia Black」を台木として用いた場合にも該当する (表2)。したがって、各圃場で樹勢補強効果を認めた同品種に ついては、「桝井ドーフィン」の台木として、株枯病汚染圃場を含む様々な場面において、果実生産性の 向上効果が期待できる。
  4. 以上を総合すると、イチジク株枯病抵抗性品種の中で、台木として最も実用性の高い品種は 「Ischia Black」である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 「Ischia Black」と「桝井ドーフィン」の接ぎ木親和性は良好で、接ぎ木苗の育成は「挿し木接ぎ」で 行うと簡便である。ただし、「Ischia Black」は「桝井ドーフィン」に比べて挿し木発根率が劣る傾向があり (表3)、挿し木には出来るだけ充実した休眠枝を用いる必要がある。
  2. 「Ischia Black」台「桝井ドーフィン」苗は、株枯病による枯死株を撤去した後の補植用として用いる事も 可能であるが、補植に伴ういや地現象の影響が大きくて十分な樹勢が確保できない場合には、 土壌改良資材の投入などの樹勢補強対策を施す。
  3. 現在、「Ischia Black」の苗木はほとんど市場流通していないが、配布増殖等に種苗法上の制限はなく、 試験研究機関等から穂木を入手して育苗することが可能である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010583
カテゴリ 育苗 いちじく 栽培技術 挿し木 台木 接ぎ木 抵抗性 抵抗性品種 土壌改良 品種 防除

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