航空機リモートセンシングによる水稲玄米中タンパク質含有率の推定

タイトル 航空機リモートセンシングによる水稲玄米中タンパク質含有率の推定
担当機関 兵庫農技総セ
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者 須藤健一
牛尾昭浩
大原源二(中央農研)
吉田智一(近中四農研)
高橋英博(近中四農研)
寺元郁博(近中四農研)
黒瀬義孝(近中四農研)
K.K.ミシュラ(パスコ)
笹川正(パスコ)
発行年度 2006
要約 広域圃場でのキヌヒカリ、ヒノヒカリの水稲玄米中タンパク質含有率は、水稲の穂揃い期から 出穂後25日目頃までに航空機で撮影されたハイパースペクトル画像から、620nmと593nmのバンドのNDVI画像を 作ることで収穫前に推定できる。
キーワード 玄米中タンパク質含有率、ハイパースペクトル、航空機、NDVI、水稲
背景・ねらい 米の有利販売を目的として、水稲収穫前に玄米中タンパク質含有率を把握するため、衛星や航空機 リモートセンシングあるいは近接リモートセンシング手法を用いて様々な検討が行われている。しかし、 衛星からのリモートセンシングは、天候の影響で希望した時期のデータが得られなかったり、解像度が粗いため 小区画の水田では解析が困難であったりすることから、実利用は北海道などの大区画圃場で、 しかも作付け品種や移植時期が揃っている地域に限られている。近接リモートセンシングもデータ採取に 労力を要し、実利用は少ない。そこで、比較的天候の影響を受けにくく、解像度の高い航空機による ハイパースペクトルリモートセンシングデータを利用して、水稲の玄米中タンパク質含有率を収穫前に推定する。
成果の内容・特徴
  1. 穂揃い期から出穂期後25日目頃までの水稲を対象に、航空機からハイパースペクトル撮影装置AISAで 撮影された画像(高度1,400m、地上解像度約1.5m、撮影バンド430~960nm/66バンド、スペクトル解像度 2.4nm)と、対象地域の圃場の筆界データを重ね合わせて原画像とする(図1)。
  2. 撮影されたハイパースペクトルから任意の2バンド間の正規化差分植生指数【NDVI=(長波長側のバンド輝度値-短波長側のバンドの輝度値)/(長波長側のバンドの輝度値+短波長側のバンドの輝度値)】を 作成する。普通期栽培のキヌヒカリとヒノヒカリを込みにしたときの玄米中タンパク質含有率とNDVIとの 間には、バンドによって高い相関関係が見られ、620nmと593nmの組み合わせが最大(相関係数0.849) である(図2)。
  3. 620nmと593nmとのNDVIと5月末移植(普通期)のキヌヒカリ、ヒノヒカリの玄米中タンパク質含有率 との分布と、同じバンドのNDVIと両品種の早期栽培、晩期栽培の玄米中タンパク質含有率の分布は キヌヒカリの早期栽培を除いてほぼ重なる(図3)。
  4. 両品種で作期が異なり出穂期後日数が異なっても、穂揃い期過ぎから出穂期後25日目頃までなら、 1回の撮影で、同じバンドのNDVIで玄米中タンパク質含有率が推定できる。
成果の活用面・留意点
  1. 異なる品種、異なる作期で栽培されている水稲の玄米中タンパク質含有率を、収穫前に予測することが 可能になり、刈り分けなどで食味別販売などの営農に利用できる。
  2. 地域、品種、作型による精度を高めるためには、撮影時期、撮影バンド、解析方法を検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010563
カテゴリ 水田 水稲 品種 リモートセンシング 良食味

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