コンジョイント分析と食味試験を併用した豆腐の消費者選好

タイトル コンジョイント分析と食味試験を併用した豆腐の消費者選好
担当機関 愛媛農試
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 石々川英樹
山本和博
発行年度 2006
要約 2種類の豆腐の食味試験と「原料」、「味」、「価格」を属性とするコンジョイント分析を 行った結果、一方の豆腐に対して食味が非常に優れると評価する回答者は、そうでない回答者よりも 「味」の重要度が高く、「価格」の重要度が低い。食味が優れると感じる豆腐に対する選好の度合いは、 味に対する評価額として反映される。
背景・ねらい 農産物や食品の選好調査を行う場合、甘さやおいしさなどの、食味に関連する属性が重要であるにも かかわらず、アンケートだけでは味の水準に感覚的な要因が含まれることから、食味に対する選好を正確に 把握するのは難しい。そこで、豆腐の食味試験とコンジョイント分析を併用的に実施し、回答者の食味評価を コンジョイント分析における水準に設定することによって、「味」という感覚的な要因に対する評価額推定の 可能性について検証し、価格設定などのマーケテイング戦略に活用する。
成果の内容・特徴
  1. 松山市内の量販店で、最も平均的な価格帯で販売されている豆腐(A)と、県内産大豆を原料と する豆腐(B)に対する好みを、「Aが非常に優れる(A3)」から「Bが非常に優れる(B3)」 までの7段階評価で調査した結果、総合評価別回答者数に明確な傾向は見られず、食味に対する評価は 多様である(表1)。
  2. 「原料(県内産、国産、大豆{産地表示なし})」、「味(食味試験に供した豆腐A、豆腐B)」、 「価格(80円、130円、180円)」を豆腐の「属性(水準)」とするコンジョイント分析を行い (表2)、食味試験の評価別に求めた推定式は、ほとんどが1% 水準で有意性が認められる。各推定式の係数から、県内産大豆に対する評価は、国産大豆に対する 評価よりも高い(表3)。
  3. 食味の違いを明確に感じた回答者(総合評価がA2,A3あるいは、B2,B3の回答者)ほど 価格の係数が小さくなる反面、味の係数の絶対値は大きくなる。両者の比から推定される味に対する 評価額は、食味の違いを明確に感じる回答者ほど大きい(表3)。
  4. 食味試験の評価別に推定した各属性の重要度は、「原料」、「価格」、「味」の順に高い。 食味の違いを明確に感じた回答者は、そうでない回答者よりも「味」の重要度が高く、逆に「価格」の 重要度は低い。「原料」の重要度に、食味に対する評価との関連は見られない (図1)。これらから、一般的な豆腐に比べ食味がかなり優れると 評価される場合(A2、B2の回答者)のプレミアムは、60円程度と推定できる (表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 食味試験をコンジョイント分析に導入することによって、味に対する評価額の推定が可能であり、 味に特徴がある加工品の価格設定に活用できる。
  2. 本成果は、農業試験場が開催した一般公開への参加者のうち、調査に協力の得られた約120名を 対象に行った分析結果であり、推定値には標本誤差によりバイアスが生じている可能性がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010547
カテゴリ 加工 大豆 良食味

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