慢性乳房炎牛へのステビア抽出発酵液の経口投与による改善効果

タイトル 慢性乳房炎牛へのステビア抽出発酵液の経口投与による改善効果
担当機関 兵庫農総セ
研究課題名
研究期間 2005~2008
研究担当者 生田健太郎
凾城悦司
山口悦司
千田 廉(神戸大)
高木道浩(神戸大)
発行年度 2005
要約 慢性乳房炎牛に天然植物エキスのステビア抽出発酵液100mlを水で2倍希釈し、3日間連続で経口投与すると、乳汁中の体細胞数や細菌数が減少し、CMT変法の乳房炎反応が低下する。
キーワード 乳用牛、乳房炎、乳汁中体細胞数、ステビア
背景・ねらい 乳房炎は酪農家に甚大な経済的被害を与えるばかりでなく、食の安全性にも関わる重大疾病である。従来、乳房炎は抗生物質の投与で治療されてきたが、連用による薬剤耐性菌の問題や慢性乳房炎には効果が低いことから、抗生物質に代わる治療法が待ち望まれている。ステビアは南米パラグアイ原産のキク科の植物で、甘味料として広く利用されているが、免疫活性化や抗菌などの作用が報告されていることから、乳房炎治療への応用を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 慢性乳房炎または乳汁中体細胞数(以下、体細胞数)が30万/ml以上の泌乳牛15頭にステビア抽出発酵液(以下、ステビア液)100mlを水100mlで希釈し、1日1回9時に、3日間連続で経口投与する。
  2. ステビア液の投与前、投与開始から3および7日後に一般乳成分と体細胞数の分析、CMT変法による乳房炎診断および乳汁細菌検査を行う。
  3. ステビア液の投与は、乳量や一般乳成分に影響しない(表1)。
  4. ステビア液の投与前に比べ投与開始から7日後に体細胞数が半減以下となれば著効、低減すれば有効、維持または増加すれば無効と判定する。同様に、CMT変法の反応が消失すれば著効、低下すれば有効、変化無しまたは悪化すれば無効と判定する。
    体細胞数の著効例では投与前に200~400万個/mlあったものが、投与開始から3日後には約10分の1に減少する(図1)。
    体細胞数では15頭中12頭(80.0%)で著効または有効と判定され、CMT変法の反応では14頭中6頭(42.9%)で著効または有効と判定される(表1)。
  5. ステビア液の投与前に細菌が検出された分房で、投与後に細菌が消失すれば著効、細菌数が減少すれば有効、維持または増加すれば無効と判定する。一般細菌に対しては37分房中24分房(64.9%)で著効または有効と判定される。ブドウ球菌に対しては31分房中21分房(67.7%)で著効または有効と判定される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 牛群検定等で体細胞数の高い個体や抗生物質を投与しても症状が改善しない慢性・潜在性乳房炎の個体を選んで投与する。
  2. 泌乳初期の牛、暑熱期および搾乳衛生に対する技術レベルの低い酪農家ではステビア液の投与効果は低い。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010492
カテゴリ きく 耐性菌 治療法 乳牛 薬剤

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