土壌改良資材の局所投入による極早生ウンシュウミカンの新梢と根の発育促進

タイトル 土壌改良資材の局所投入による極早生ウンシュウミカンの新梢と根の発育促進
担当機関 栽培部
研究課題名
研究期間 2004~2006
研究担当者 鯨 幸和
中地克之
植田栄仁
宮本久美
発行年度 2005
要約 極早生ウンシュウミカン「ゆら早生」に対する樹冠直下の深耕と、土壌改良資材(パーライト:ピートモス=8:2)の土壌への投入は、活性の高い細根発生と地上部各器官の栄養成長を促し、樹勢向上対策として有効である。
キーワード ウンシュウミカン、ゆら早生、土壌改善、パーライト、ピートモス、細根
背景・ねらい 極早生ウンシュウミカン「ゆら早生」は、品質が優れ市場での評価が高いことから和歌山県の推奨品種とされ、産地での導入が急速に進んでいる。しかし、従来の品種に比べて発根が劣るなど樹勢が弱いため、新梢・根の伸長、および樹冠の拡大を促すことが課題である。そこで、土壌を効果的に改善し、新梢・根の伸長を促すことを目的として、樹冠直下の深耕と土壌改良資材の局所投入効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. パーライトとピートモスを容積比8:2で混合(以下、「混合資材」と記す)することで、水分飽和24時間後の気相率は22.5%と土(褐色森林土)とほぼ同じ数値を示し、気相が多いため過湿にならない。また、水分飽和状態から24日間放置しても高い水分含有率を示すため、根の伸長を促す資材として適している(表1)。なお、この混合資材は1993~97年にかけて実施した「人工培地を用いた超省力根圏管理システムの開発による施設果樹栽培技術の確立試験」(地域重要新技術)において使用した実績がある。
  2. 樹冠直下に溝式深耕を施した後、そこへ混合資材を投入することで、約1年後にはその部位に細根が発生する(図1)。
  3. 混合資材を投入した部位に発生した細根の活性は、無処理ほ場の細根よりも高くなる。また、混合資材を投入した樹では春梢伸長、および葉面積の拡大が促される(図2)。
  4. 混合資材の投入により、樹容積の拡大がやや促される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 「ゆら早生」は豊産性で毎年着花が多く、結実させると新梢長も短くなる傾向が強い。このため、土壌改善策だけでなく、適正な地上部管理技術(枝梢管理、摘らい、強めの摘果など)との組み合わせが、樹勢増進と樹冠拡大には不可欠である。
  2. 細根の発生を確実にするには、降雨後に水が溜まるような排水性の悪い箇所を避け、既存の根に接するように溝を掘って資材を投入する必要がある。
  3. 溝を掘る際、既存の根を傷めないように注意し、表層根が多い箇所には処理を行わない。
  4. 衰弱した樹に対するスポット的な処置として、即、活用可能な技術である。ただし、大規模に実施することを想定すれば労力が問題となるため、適正な資材投入量と頻度、および省力的な処理方法の検討が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010401
カテゴリ 温州みかん 管理技術 管理システム 栽培技術 超省力 土壌改良 排水性 品種

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