昆虫病原性糸状菌製剤への薬剤混用による防除効果安定化技術

タイトル 昆虫病原性糸状菌製剤への薬剤混用による防除効果安定化技術
担当機関 山口農試
研究課題名
研究期間 2002~2005
研究担当者 河村俊和
和泉勝憲
岩本哲弥
本田善之
東浦祥光
発行年度 2005
要約 昆虫病原性糸状菌製剤への薬剤混用は、トマトのシルバーリーフコナジラミに対してはP.f.菌製剤と脂肪酸グリセリド乳剤で、イチゴのワタアブラムシに対してはV.l.菌製剤とソルビタン脂肪酸エステル(機能性展着剤)で防除効果が向上する。
キーワード 昆虫病原性糸状菌、薬剤混用、トマト、イチゴ、野菜
背景・ねらい 昆虫病原性糸状菌による害虫防除では、好適な温度・湿度条件で使用することが高い防除効果を安定的に得るうえで必要条件といえる。しかし、農家ほ場においては必ずしも好適な条件が得られず、防除効果が不安定になる場合がある。このため、付着率向上などによるPaecilomyces fumosoroseus菌製剤及びVerticillium lecanii菌製剤の防除効果の安定化を目的とし、薬剤の混用効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. Paecilomyces fumosoroseus菌製剤(1000倍)のシルバーリーフコナジラミに対する防除効果は、脂肪酸グリセリド乳剤(300倍)、ソルビタン脂肪酸エステル(機能性展着剤、1000倍)、マシン油乳剤98%(150倍)を混用散布することにより向上し、その程度は脂肪酸グリセリド乳剤で最も高い(図1、2)。
  2. Verticillium lecanii菌製剤(1000倍)のワタアブラムシに対する防除効果は、脂肪酸グリセリド乳剤(300倍)、ソルビタン脂肪酸エステル(機能性展着剤、1000倍)、マシン油乳剤98%(150倍)、なたね油乳剤(200倍)を混用散布することにより向上し、その程度はソルビタン脂肪酸エステルで最も高い(図3)。
  3. 薬剤混用による薬害は発生しない。
成果の活用面・留意点
  1. 防除効果の向上は、混用する剤そのものの物理的防除効果によるところもあるが(図1、2、3)、昆虫病原性糸状菌の付着率を向上させることもあって得られるものと推測される(野外における昆虫病原性糸状菌Nomuraea rileyiのハスモンヨトウに対する殺虫効果、杉田ら、関病虫研報45、2003を参照。)
  2. 薬剤の混用は、昆虫病原性糸状菌製剤調製液を散布する直前に行う。
  3. 感染に必要な80%以上の湿度を確保するため、湿度が上昇する夕方以降に散布する。
  4. シルバーリーフコナジラミ、ワタアブラムシの少発生時から複数回散布する。
  5. いずれの薬剤も野菜類で農薬適用がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010381
カテゴリ いちご 害虫 機能性 トマト なたね 農薬 防除 薬剤 わた

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