簡易採卵技術の確立

タイトル 簡易採卵技術の確立
担当機関 徳農総セ
研究課題名
研究期間 2002~2004
研究担当者 岩佐隆範
後藤充宏
福見善之
片山正敏
立川 進
発行年度 2004
要約 中山間地に偏在する繁殖和牛の高品質・安定生産に資することを目的に簡易採卵装置を開発した。本技術は、低コストで従来法と変わらない回収率を示し、受精卵回収から検卵まで短時間で終了する野外で有効な採取方法である。
キーワード 中山間、肉用牛、受精卵移植、簡易採卵、短時間
背景・ねらい 県内の繁殖和牛農家は137戸あり、そのうち116戸(82%)は県西部の中山間地域に偏在し、阿波牛の子牛生産地域を形成している。しかしながら、中山間地域農家は狭小な敷地でしかも限られた繋養頭数の中で経営を強いられている。そこで、効率的な牛群改良及び高品質な子牛生産を行うために受精卵移植技術の導入は有効不可欠であり、特に中山間地域で行われる現地採卵は、運搬の都合上人的・資材的にも限られる中での作業等が想定されるためそれに対応できる採卵技術について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 簡易的な受精卵の回収方法としてバルーンカテーテルへの空気の挿入について血圧計のゴム球を活用し、子宮角でのバルーンの固定を1人で簡単に手元で操作が行うことが可能である。(写真1)
  2. 灌流液の注入方法として電動式エアポンプ(National:Airpump1300BH734)を活用し、強制的に環流を行うことにより1人で灌流液の出入れが可能である。(写真2)
  3. 灌流液の回収容器にはフィルター付き回収シャーレ(FHK:CCA200)を用い、補助者なしに受精卵の回収を可能とし、1~3をシリコンチューブにより三方ストップコックで連結させ、持ち運び可能な伸縮性の物干し竿に固定し、1人採卵が可能で低コストで作成できる採卵装置一式を開発した。(写真3、4)(表1)
  4. 過剰排卵処置を行った和牛30頭から従来法と改良法によりそれぞれ15頭から採卵を実施し、1頭あたりの推定黄体数に対する総回収胚数(回収率)について検討した結果、改良法(93.7%)、従来法(94.3%)と変わらない回収率を示し、採卵から検卵にかかる時間短縮(1時間/頭)及び労力の省力化が可能である。(表2、3)
成果の活用面・留意点
  1. 簡易採卵技術の開発により、農家採卵依頼件数が増加しており、今後家畜保健衛生所等の技術者に技術の普及を図ることにより中山間地域における繁殖和牛の改良を支援することができる。
  2. 採卵時におけるバルーンカテーテル挿入後の子宮角でのカテーテルの固定法について、血圧計のゴム球を活用することにより一人で簡単に空気の出し入れを可能としたが、子宮角の大きさにより15~25mlの範囲で空気注入量の微調整ができる器具について検討が必要である。
  3. 回収容器としてフィルター付き回収シャーレ(底面から1cmのところから高さ1.5cm、幅7.5cm、75μmのメッシュ)を活用することにより、検卵作業の時間短縮が図られたが、受精卵が回収容器側面のフィルターに付着している傾向があり、フィルターの位置について検討する必要がある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010010232
カテゴリ 経営管理 省力化 受精卵移植 中山間地域 低コスト 肉牛 繁殖性改善

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