ぶどう園土壌の省力的診断とフリーGISソフトによる地図表示

タイトル ぶどう園土壌の省力的診断とフリーGISソフトによる地図表示
担当機関 大阪食とみどり技セ
研究課題名
研究期間 2002~2003
研究担当者 辰巳 眞
磯部武志
発行年度 2003
要約 大阪府のぶどう園は、複雑な地質母材からなるためCECは園により非常に差がある。点数をこなすためCECの測定は省略し、pHと塩基含量からCECを類推する一次式を作成する。さらに、表計算ソフトにより処方箋を省力的に作成し、簡易なフリーGISソフトに貼り付け、立体的で農家にも理解しやすい地図を作成する。
キーワード ブドウ、省力的土壌診断、陽イオン交換容量、GIS、フリーソフト
背景・ねらい 大阪府東部のぶどう園は、二上山系の安山岩や洪積層の一種である砂や粘土(淡水成粘土)等の各種母材からなる複雑な土壌条件である。1980年代の調査結果を見ても土壌のCECは最低は6から最高は28.8me/100gまである。  近年、現場からの要望により多くの点数を短期間に分析する必要に迫られ、データベース化した1980年代の結果を利用して可能な限り省力化し、少ない労力で正確な診断を行う手法を開発する。さらに簡易なフリーGISソフトを利用して、使いやすい地図型データベースを作成することもあわせて試みる。
成果の内容・特徴
  1. 従来は、処方箋の作成にかなりの時間を費やしていたが、以下の方法を用いて多量の点数でも短時間に処方箋が作成できる。
    土壌が酸性の場合には、適正な苦土石灰の必要量を決定する必要がある。そこで、過去の同じ地域のpHと塩基飽和度の相関式を用い、現在のpHから塩基飽和度を推定、さらに塩基含量から逆算してCECを類推できる計算式を作成。その数値から計算した苦土石灰必要量を、表計算ソフトの自動計算を用い処方箋に組み込む。また、pHや苦土、カリ、リン酸、腐植等の数値が基準値に達しているかどうかを、IF関数を用いて判定し、それに応じた語句が別のシートから参照されるようにし、それらの文字をつなぎ合わせる関数を用いて一つのセルに表示する。これらによって、処方箋(土壌改良対策)を作成する時間が大幅に短縮できる(図1)。
    この方法で羽曳野のぶどう園のCECを推定したところ、実測値との間には図1右上グラフのような相関(R2=0.844)が得られる。
  2. これらの土壌養分状態を、地質図を読み込んだフリーソフト(カシミール3D、杉本智彦氏作成)を用いてプロットすることにより、安山岩系の地質が分布する地帯はCEC(陽イオン交換容量)がきわめて高く、pHが低い等、地質に応じて偏りが明らかになる(図2)。また、各処方箋を表計算ソフトで地名ファイルに書き込み、テキストファイル(拡張子NDB)に変換しカシミールに読み込むと、地点を右クリックし「プロパティ」を選択することにより処方箋が表示される(図2左下)。このような分布図の作成は、従来の手作業と比較してきわめて短時間で作業でき、しかも立体化も容易で農家にも理解しやすい地図を作製することができる。

成果の活用面・留意点
  1. 現場での土壌情報の確認に活用できる。
  2. CECの推定値が30me/100g以上になる場合は実測する必要がある。
  3. 地域ごとに、過去のデータから表計算ソフトの散布図などを利用して、塩基飽和度とpHの相関式を求めることが望ましい。
  4. アルカリ土壌では適応できない。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009897
カテゴリ 省力化 データベース 土壌改良 土壌診断 なす ぶどう

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