てん茶用品種「さみどり」のはさみ摘みにおける早期成園化技術

タイトル てん茶用品種「さみどり」のはさみ摘みにおける早期成園化技術
担当機関 京都府立茶業研究所
研究課題名
研究期間 1998~2002
研究担当者 荻 安彦
神田真帆
上辻久利
発行年度 2002
要約 てん茶用品種「さみどり」を、はさみ摘み茶園として早期に成園化するには、慣行より条間を広げ株間を狭める栽植密度になるよう深型ポット苗を定植し、幼木期のせん枝位置をやや高くすることが有効である。
キーワード てん茶用品種、さみどり、はさみ摘み、早期成園化、栽植密度、ポット苗
背景・ねらい 「さみどり」はてん茶用として高品質・多収を兼備した優れた品種であり、京都府では手摘みによる集約的な栽培が広く行われているが、最近では急増しているはさみ摘みてん茶用品種としても注目されている。しかしながら「さみどり」の特性として、初期生育がやや弱いことに加え樹姿が極直立型で分枝が少ないため、はさみ摘みにおいては早期に株張りを広げ摘採面積を確保することが難しく成園化が遅れるという問題点がある。
そこで、深型ポット苗の使用及び栽植法、仕立て法を改良した実証栽培を行い、「さみどり」の早期成園化技術を検討する。
成果の内容・特徴 1.
開発した技術は、品種「さみどり」の深型ポット苗(1年生)を用い、慣行法に比べ株間を15cm狭くし条間を10cm広げ、さらに定植2年目,3年目の春のせん枝位置を慣行よりそれぞれ5cm高くする方法である(表1)。
2.
深型ポット苗の定植2年目の活着率は99.4%と高く、普通苗に比べ植え傷みが極めて少ない(表2)。
3.
条間を広げ株間を狭める栽植方法と幼木期のせん枝位置をやや高くすることにより、株張り拡大効果が認められる(表2)。
4.
一番茶収量は、定植4年目では処理間に差はないが、摘採面積の増加とともに摘採面当たりの収量性が高く維持されたことにより、定植5年目には深型ポット苗を用いた場合に約440kg/10aと最も多くなる(図1)。
5.
一番茶の収量構成を比較すると、定植4年目では「さみどり」は「やぶきた」に比べ新芽数が約3割多い反面、百芽重は約3割少なくなるなど芽数型の傾向が強いが、定植5年目になるとこの傾向が緩和され、新芽数の増加は約1割多い程度にとどまり、百芽重は同等以上である(表3)。
6.
以上の結果から、「さみどり」の早期成園化技術として、条間を広げ株間を狭める栽植密度に深型ポット苗を定植し、幼木期のせん枝位置をやや高くすることが有効である。
成果の活用面・留意点 本成果で用いた深型ポット苗は塩ビ管により育苗したものであるが、最近主流となっているペーパーポット苗を用いた場合でもほぼ同様の効果が期待でき、さらに定植時の作業も簡便である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009847
カテゴリ 育苗 栽培技術 早期成園化 てん茶 品種

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