タイトル | テフロン製カテーテル型移植器を用いた牛の胚移植成績 |
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担当機関 | 島根畜試 |
研究課題名 | |
研究期間 | |
研究担当者 | |
発行年度 | 2002 |
要約 | 牛胚移植時に用いる移植器として、テフロン製カテーテル型を用いた場合に、従来型の横穴式シース管型と比べて、受胎率の向上が期待できる。 |
キーワード | 牛、胚移植、受胎率、移植器、カテーテル |
背景・ねらい | 牛の胚移植をフィールドにおいて一層普及定着化させるためには、簡便な移植技術で高率に受胎させることが必要である。胚移植の受胎率を向上させれば、一供胚牛当たりの産子数が増し、結果的に農家経営の安定にも寄与できる。受胎率に及ぼす様々な要因が指摘されている中で、移植操作の技術レベルに個人差があることはよく知られており、受胎率の高位安定化を図る上での障壁の一つとなっている。そこで、移植操作技術の簡易・平準化にターゲットを絞り、市販移植器のうちの2つの型式、「テフロン製カテーテル型(カテーテル型)」および「横穴式シース管型(従来型)」の使用効果について比較検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. カテーテル型は、従来型と比べて子宮頚管の疎通操作および子宮角深部への挿入が容易であり、子宮内の損傷も少ない(図1)。 2. 熟練した技術者が同一飼養管理下で飼育した受胚牛に体内胚を移植した場合では、従来型、カテーテル型の新鮮胚および凍結胚の受胎率は、それぞれ50.0%、50.0%および71.4、70.0%であり、それぞれ移植器の型式の違いによる受胎率の差はない(表1)。 3. 県内の3地域を指定し、カテーテル型移植器の導入前後の凍結体内胚の移植成績を調査した結果、いずれの地域においてもカテーテル型を使用した場合では従来型と比べ受胎率が向上する傾向が認められ、3地域合計の受胎率は、従来型45.0%、カテーテル型55.7%でカテーテル型が有意(P<0.05)に高率であり、その傾向は特にA地域で顕著である(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 胚移植の受胎率向上を目的にカテーテル型移植器を用いる場合でも、移植胚の品質、受胚牛の飼養管理および選定、無菌操作などの基本技術を確認、習熟する必要がある。 2. カテーテル型移植器を使用する場合は、移植液の漏れ、操作ミス、テフロンチューブの損耗等によって移植予定胚を紛失する可能性も想定されるので、適正な取り扱いが要求される。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009814 |
カテゴリ | 経営管理 飼育技術 受胎率向上 |
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