タイトル | 受胚牛へのGn−RH製剤投与及びOVSYNCH法の応用による受胎率向上 |
---|---|
担当機関 | 京都碇高総牧 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
安達善則 宮城信司 戸田博子 森 一憲 森田 誠 櫻田孝之 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 経産牛における受胎率は、OVSYNCH法を応用し、発情予定日から7日目に胚移植を行い、更に胚移植後4日目にGn-RH製剤100μgを投与することで向上する。また、受胚牛にOVSYNCH法を応用することにより、胚移植実施率は、発情不明瞭牛や自然発情による胚移植で低受胎の牛では向上し、受胎率は経産牛で有意に優れる。 |
キーワード | 胚移植、受胚牛、Gn-RH、OVSYNCH、受胎率、胚移植実施率 |
背景・ねらい | 胚移植技術を利用し、家畜の改良・増殖を効率的に進めるためには、胚の生産効率の向上はもとより、受胎率向上のための技術開発は大きな課題である。当府においても胚移植実施段階での黄体検査などで移植不適と判断される受胚牛が少なくなく、より生産効率を上げるためには、受胎率及び受胚牛の胚移植実施率を上げる技術の検討が必要である。 そこで、本試験では受胚牛に性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH)製剤を利用し、また、OVSYNCH法を応用することにより受胎率及び胚移植実施率の向上を図る。 |
成果の内容・特徴 | 供試牛は当場繋養のホルスタイン種及び黒毛和種未経産牛77頭、黒毛和種及び交雑種経産牛40頭の計実頭数117頭、延頭数223頭を用いる。供試胚は当場繋養の黒毛和種供胚牛から採取した7日目胚を、1.8Mまたは1.5Mエチレングリコールに0.1Mまたは0.2Mトレハロースを添加したメディウムを用いて凍結し、ダイレクト法で移植する。なお、供試牛及び供試胚はそれぞれ、各試験区分に偏らないように振り分ける。 1. 経産牛では、OVSYNCH法を応用し、さらにGn-RH製剤100μgを胚移植後4日目(OV+G4区)の投与による受胎率は、自然発情を0日とし、Gn-RH製剤100μgを胚移植後4日目(G4区)、胚移植後5日目(G5区)の投与及び無投与の対照区に比較して有意(P<0.05)に高くなる(表1)。 2. 未経産牛の受胎率においては、どの試験区間においても差が無く、Gn-RH製剤の投与効果、また、OVSYNCH法を応用による効果は認められない(表1)。 3. 受胚牛にOVSYNCH法を応用することにより、発情不明瞭牛や自然発情による胚移植における低受胎牛への胚移植実施率は向上する(表2)。また、経産牛における受胎率は、対照区に比較して有意に(P<0.05)高くなる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. OVSYNCH法に用いるGn-RH製剤やプロスタグランジンF2α(PG)製剤は要指示薬であるため、使用の際には獣医師の指示が必要である。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009793 |
カテゴリ | 受胎率向上 |
この記事は