液体増量剤を用いたキウイフルーツの人工授粉

タイトル 液体増量剤を用いたキウイフルーツの人工授粉
担当機関 愛媛県立果樹試験場
研究課題名
研究期間 1999~2002
研究担当者 新開志帆
清水康雄
矢野 隆
発行年度 2002
要約 寒天やジェランガム溶液に懸濁した花粉はキウイフルーツの人工受粉に利用でき,花粉を1000倍量まで溶液で希釈しても現行の石松子を増量剤とした受粉と同程度の果実が収穫できる.また、現行の石松子を増量剤とした受粉では作業できなかった降雨日等でも安定した受粉効果が得られることや,省力性やコスト面でも優れている.
キーワード キウイフルーツ,人工受粉,液体増量剤,花粉,省力化
背景・ねらい 果樹栽培における人工受粉作業は栽培者にとって大きな負担となっている.また,現行の石松子を増量剤とした受粉は風や雨により作業性が悪くなる.そこで、取り扱いの容易な液体増量剤を改良するとともに,この資材に適した受粉技術や作業効率,経済性などについてキウイフルーツを取り上げて検討し,実用性のある液体受粉技術を開発する.
成果の内容・特徴 1.
寒天溶液(0.08~0.12%)とジェランガム溶液(0.1~0.2%)に10%スクロースの添加の有無を組み合わせた液体増量剤に花粉を懸濁しハンドスプレー(以下スプレー)を用いて受粉したところ,いずれの組合せでも現行法によるものと同程度の果実を生産することが可能である(図1).
2.
50から800倍量の液体増量剤(0.1%寒天,5%スクロース)に懸濁した花粉を用いて人工受粉を行い石松子受粉区(10倍希釈)と比較したところ果実生産性に差はみられない(データ省略).さらに,500から16000倍量まで希釈した花粉では1000倍量までは130g以上(2Lサイズ)の果実が生産できる(図2).
3.
曇りおよび降雨(受粉後4時間の降雨量:1.3~8.5mm)の日に200倍量の液体増量剤に懸濁した花粉を用いて果実生産性を検討したところ,収穫果の種子数,1果重については気象条件による影響はみられない(図3).
4.
平棚4m2当たりの受粉作業時間は石松子を凡天で受粉する区が最も多く,スプレーで液体を受粉する区はその半分以下となる.花粉使用量はスプレー-液体受粉区で最も少ない(表1).受粉にかかる経費を試算すると石松子-器械受粉区が最も高く、スプレー-液体受粉区が最も安価となる.
成果の活用面・留意点 1.
花粉は発芽率が高いものを用いる。また,未精製のものでは受粉器が詰まりやすい.
2.
花粉混和後,徐々に花粉発芽率が低下する(懸濁直後で64%,2時間で56%,4時間で43%/室温)ので、混和後2時間位までに花粉懸濁液を使い切る.
3.
この方法はナシでも使用できることが明らかとなっている(平成13年度愛媛果試業務報告)が,その他の樹種への利用に際しては事前に花粉への影響を十分検討する必要がある.
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009789
カテゴリ キウイフルーツ コスト 省力化 受粉

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