タイトル | 中山間地における夏どりホウレンソウの無農薬栽培技術 |
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担当機関 | 愛媛農試 |
研究課題名 | |
研究期間 | 1999~2002 |
研究担当者 |
村上要三 篠崎毅 重松康之 黒田剛 松崎幸弘 和気孝吉 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 中山間地雨よけ夏どりホウレンソウ栽培において、立枯性病害に対して蒸気土壌消毒が高い効果を示し、近紫外線カットフィルムと防虫ネットの使用で害虫被害の発生を抑制でき、これら技術を組み合わせた体系防除により無農薬栽培ができる。 |
キーワード | 夏ホウレンソウ、無農薬栽培、蒸気土壌消毒、物理的防除 |
背景・ねらい | 消費者ニーズが多様化し、食への安全性志向が高まるなか、各種野菜での無農薬生産が求められている。そこで、高単価が期待される夏どりホウレンソウにおいて、生産阻害要因となっている萎凋病などの立枯性病害、鱗翅目害虫、アブラムシなどの病害虫被害抑制技術を農薬を用いない手法で組み立て、中山間地における雨よけ夏どりの無農薬、安定生産技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 夏どりホウレンソウにおいて、畦立て後の播種前に蒸気土壌消毒を実施すれば萎凋病を中心とする立枯性病害の発生を抑制できる(表1)。 2. 連続して栽培する場合、第1作目の消毒効果の持続は第2作目に対しては不十分であるが、毎作前に実施すれば同様に高い発病抑制効果が得られる(表1)。 3. 夏どりホウレンソウで発生するニセタマナヤガ、シロシタヨトウなどの鱗翅目害虫およびアザミウマ類、アブラムシ類に対し、ハウス天ビニルに近紫外線カットフィルムを展張し、ハウス開口部を1mm目合いの防虫ネットで被覆することで、その被害発生を抑制できる(図1)。 4. 蒸気土壌消毒の毎作前実施と、近紫外線カットフィルムおよび防虫ネットを組合せた体系防除により、中山間地の雨よけの夏どりホウレンソウで、土壌病害および虫害被害の抑制ができ、安定収量が得られ、無農薬での連続栽培ができる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 蒸気消毒機の導入コスト負担低減を図るためには、共同利用体制等の整備が望まれる。また、蒸気消毒機の作動には電源の整備が必要である。 2. 本試験は黒ボク土で実施した。使用した蒸気消毒機の性能は相当蒸発量300kg/時間で、キャンバスホース方式での1回18m2消毒では、作動70分後に15cm深さの地温100℃が得られた。これを参考に各蒸気消毒機での消毒時間を設定する。 3. 本体系技術は、害虫のハウス内侵入抑制を中心に組み立てているので、ハウス内雑草等の残存虫の除去や作業等に伴う害虫侵入への注意が必要である。 4. べと病に関しては、試験期間を通じて発生が無く、未検討である。 |
URL | http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009679 |
カテゴリ | 害虫 コスト 栽培技術 雑草 中山間地域 土壌消毒 農薬 播種 ほうれんそう 防除 |
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