タイトル |
四国中山間地のレタスおよびキャベツ周年生産のための適品種 |
担当機関 |
愛媛農試 |
研究課題名 |
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研究期間 |
1997~2001 |
研究担当者 |
河内博文
才木康義
山崎康男
松本英樹
大西力
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発行年度 |
2001 |
要約 |
四国中山間地で周年生産ができるレタスとキャベツの適品種を選定した。レタスは春まきに「サマーランド」、夏まきに「みずさわ」、秋まきに「バークレー」、冬まきに「しずか」、キャベツは春まきに「W717」、夏まきに「いろどり」、秋まきに「味春」等が充分な収量が得られる。
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キーワード |
レタス、キャベツ、四国、中山間、周年、品種
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背景・ねらい |
四国において耕地の多くを占める中山間地では、高齢化、担い手不足が進み、耕地の荒廃が危惧されていることから、生産の機械化が可能なレタス、キャベツを用い、周年生産できる適品種の選定等の技術開発、導入によって、四国中山間地の農業の活性化を図る。
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成果の内容・特徴 |
- レタスは、春まき夏どりに球形状が良い「サマーランド」、夏まき夏秋どりに高温結球性が高い「みずさわ」「エリート」「K-008」を、秋まき冬どりには、低温肥大性の良い「バークレー」「K-3488」、冬まき春どりに低温伸長性・形状が良い「しずか」を利用する(表1、図3)。
- レタスの定植後の生育日数は、4~6月では45~30日と短くなり、6~8月では30~35日である。9月定植以降は遅くなるほど、また標高が高いほど日数が長くなり、11月定植では標高150m以上の中山間地は120~130日となる(図1)。
- キャベツは、春まき夏どりに生理障害、揃いに優れる「W717」、夏まき秋どりに病虫害が少ない「TSX8589」、球肥大・品質が良い「いろどり」、秋まき冬春どりに低温肥大性が良く安定している「味春」を利用する(表1、図3)。
- キャベツの生育日数は、4~7月では標高400mまでは65日程度を要する。8月以降は定植日が遅いほど、また標高が高いほど日数を多く要し、11月定植では中山間地は160~180日となる(図2)。
- 以上の作型で各標高に大きな差がなく、レタスでは結球重400g、収量a当たり250kg、キャベツでは結球重1.2kg、収量a当たり400kgがほぼ確保できる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 四国中山間地の標高400m以下、傾斜度10゜以下の傾斜畑で活用できる。
- うね幅は2条うねを前提に機械作業性から1.2mとし、うねの高さ15cm、株間はレタスが25cm、キャベツが35cmで、栽植密度はa当たりレタスが667本、キャベツが476本としている。
- レタスの形状、病害対策として、深植えを避け、夏秋どりでは10a当たり施肥窒素成分量を8kg程度にする。マルチは夏どりでは白、他の作型では黒マルチを利用する。12月からトンネル被覆し、結球期以降は不織布をトンネル内にべた掛けする。
- 病害では、夏は苗立枯病、すそ枯病、軟腐病、冬春は灰色かび病、菌核病の予防が必須である。レタスのすそ枯病、軟腐病には収穫前21日前に、菌核病にはビニル被覆前に有効な殺菌剤を散布する。
- レタス、キャベツともに、ヨトウムシ類を中心とした害虫対策が必須であり、定植時から生育期にかけ、有効な殺虫剤を散布する。
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URL |
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009461 |
カテゴリ |
害虫
機械化
キャベツ
栽培技術
生理障害
施肥
立枯病
中山間地域
品種
レタス
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