水稲の基肥としての鶏ふんの利用

タイトル 水稲の基肥としての鶏ふんの利用
担当機関 香川県農業試験場
研究課題名
研究期間 1998~2001
研究担当者 香西清弘
川田陽子
発行年度 2001
要約 鶏ふんを水稲に基肥として400kg/10a程度湛水開始1週間前から湛水開始直前までに施用することで、化学肥料の基肥窒素5kg/10aとほぼ同等の効果がある。また、玄米中タンパク質濃度には影響を与えない。さらに、土壌中の全亜鉛の負荷度合いは3年間で1ppm程度である。
キーワード 水稲、基肥、鶏ふん、玄米タンパク質、亜鉛
背景・ねらい 近年、家畜家きんふんの利用促進と適正な利用方法の確立が強く望まれている。特に鶏ふんは、家畜家きんふんの中で最も肥料成分の含有率が高く、肥効は速効的で一般の化成肥料に近い性格を有しているため、水稲栽培には最も利用しやすいと考えられる。
そこで、水稲栽培における鶏ふんの施用法を確立するため、土壌中のアンモニア態窒素濃度の変化や収量等への影響から、鶏ふんの施用量及び施用時期を検討する。さらに、鶏ふん中に多く含まれる石灰や亜鉛が、土壌中の交換性石灰や全亜鉛に与える影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 湛水開始3週間前に乾燥鶏ふんを施用する場合、土壌中のアンモニア態窒素から考えて、10a当たり400kg施用と600kg施用のほぼ中間が、化学肥料の窒素5kg/10a施用に相当する。また、発酵鶏ふん400kgの湛水開始直前施用と湛水開始1週間前施用のほぼ中間が化学肥料の窒素5kg/10a施用に相当する。(図1)
  2. 鶏ふんを水稲の栽培に用いる場合、200kg~400kg施用することで基肥としての効果がある。しかし、600kgの施用や、湛水開始直前の施用でも、追肥時期までの肥料効果は認められず、収量を確保するためには、追肥の施用が必要である。(図2)
  3. 鶏ふんを基肥として施用する場合、玄米中のタンパク質濃度に及ぼす影響は化学肥料と同程度である。(表1)
  4. 全石灰を20%程度含む鶏ふんを年間平均400kg施用すると、初年目の土壌中の交換性石灰の増加量は約30mg/100g、2年目以降は、約10mg/100gとなる。(図3)
  5. 全亜鉛を400~500ppm含む鶏ふんを水田に年間平均400kg程度施用すると、土壌中の全亜鉛は3年間で1ppm程度増加する。(図3)
成果の活用面・留意点
  1. 西南暖地の灰色低地土壌における水田での鶏ふん利用のための基礎資料となる。
  2. 鶏ふんの施用量は400kg/10aまでとし、湛水開始までの時間を短くして硝酸化する時間を短くすることで、肥料成分の有効利用が図れる。
  3. 土壌中の交換性石灰や全亜鉛の増加量も鶏ふんに含まれている量から考えるとわずかであるが、長期の連用には土壌診断が必要である。
[具体的デ-タ]
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009407
カテゴリ 乾燥 水田 水稲 土壌診断

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