マルチ被覆とシバザクラ植栽を組み合わせた大規模畦畔管理技術

タイトル マルチ被覆とシバザクラ植栽を組み合わせた大規模畦畔管理技術
担当機関 企画情報部
研究課題名
研究期間 1999~2001
研究担当者 保科 亨
下澤秀樹
諫山俊之
発行年度 2001
要約 刈払いによる除草管理が困難な大規模畦畔において、土壌流亡と雑草の発生を抑制するマルチで法面を被覆し、景観形成効果の高いシバザクラのセル苗を植栽することによって省力的に管理することができる。
キーワード 大規模畦畔、管理、土壌流亡、雑草、マルチ、シバザクラ
背景・ねらい 中山間の急傾斜地域では、圃場整備に伴い刈払いによる除草が困難な大規模畦畔が増加しており、省力的な管理技術の導入が急務となっている。そこで、土壌流亡および雑草の発生を抑制するマルチの被覆と景観形成効果の高いシバザクラの植栽を組み合わせた大規模畦畔の新しい管理技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本技術に用いるマルチとして、ポリオレフィン樹脂製織布(アグリシート)が、雑草抑制効果が高く、比較的安価で(図1)、織り込まれた20㎝間隔のラインが定植作業の省力化に有効であることから最も適している。
  2. シバザクラの育苗には128穴のセルトレイを使い、マサ土と粉砕籾殻の各等量と被覆燐硝安加里(360日タイプ)を1L当り窒素成分で1gを混合した培地に挿し芽を行うことで、低コストで安定的に健苗が得られる。
  3. 定植は水平方向の並木植え(株間20㎝×条間60㎝)とすることで、栽植本数を抑えつつ植穴の早期被覆によって雑草の発生を抑制できる。地力不足を補うため植え穴に被覆燐硝安加里(360日タイプ)を窒素成分で1穴当り2~3g施用する。
  4. 定植作業は、(A)マルチ展開、(B)足場設置と竹ぐしとポリプロピレン製のひもによるマルチ固定、(C)定植箇所のマルチ切開、(D)先が尖った棒による植穴開け、(E)肥料投入、(F)セル苗植付けの順に行う(図3)。
  5. 法面1a当りの育苗から定植までに必要な資材費は16,332円、作業時間は延べ25時間である。
  6. 品種「スカーレット・フレーム」の生育が最も早く定植1年7か月後に被度90%に達する(図2、図4)。開花期はいずれの品種も4月中旬~5月上旬である(図4)。

成果の活用面・留意点
  1. 植穴から雑草が発生するのを防ぐため、マルチの切開はできるだけ小さくする。
  2. 植穴から発生するイネ科雑草の防除は、効果が高くシバザクラへの影響も無く畦畔・法面対象として農薬登録があるフルアジホップP乳剤の処理が有効である。
  3. 雑草が繁茂している既存畦畔に本技術を導入する場合は、事前に非選択性の吸収移行型除草剤の処理によって雑草を十分に枯死させる。
  4. シバザクラは耐暑性が劣るため温暖地域では適応性を確認する必要がある。
  5. 強度が劣る法面では崩壊の危険性があるため適用しない。

URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009352
カテゴリ 育苗 管理技術 傾斜地 畦畔管理 栽培技術 雑草 省力化 除草 除草剤 耐暑性 中山間地域 低コスト 農薬 品種 防除

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