個別要素法を用いた土の破壊現象予測のための数値シミュレーション手法

タイトル 個別要素法を用いた土の破壊現象予測のための数値シミュレーション手法
担当機関 (独)農業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究課題名
研究期間 1997~2001
研究担当者 岡戸敦史
角川修
宮崎昌宏
中嶋洋
猪之奥康治
長崎裕司笈田昭
田中宏明
桃津正敏(京都大学大学院農学研究科)
発行年度 2001
要約 本手法は、作業機械による土の破壊挙動を再現できるシミュレーション手法である。不連続体解析手法である個別要素法を用いているため、振動式全層破砕機のシャンク振動によって生じる土層内の亀裂発生や進展および破砕状況を評価・予測できる。
キーワード 個別要素法、数値シミュレーション、振動式全層破砕機
背景・ねらい 小区画圃場の多い中山間傾斜地域において、振動式全層破砕機等の土壌改良用機械を利用するためには、小型トラクタへの装着が前提となる。このため、作業機械は小型でありながらも所期の破砕性能を発揮する必要があり、製造メーカによる仕様の変更や改良が行われている。しかし圃場の深層で生じている土の破壊現象は目視・計測が困難なため、作業機の改良は実験を繰り返し試行錯誤的に行われているのが現状で、このような現象を事前に予測・評価できる手法の開発が求められている。そこで、作業機による土の破壊現象を予測するための数値シミュレーション手法を開発する。
成果の内容・特徴 1.
本手法は個別要素法(Distinct Element Method、DEM)を利用したものであり、作業機械による土の破壊現象を解明・予測するための数値シミュレーション手法である。
2.
本手法では、土層の断面を多数の微小円形要素で構成し、作業機械の動きによって要素が受ける力と、その力によって運動する要素の動きを逐次計算する(図1)。要素間に作用する力を計算するため、隣接している要素と要素との間には、バネ、ダッシュポット、摩擦スライダー等の力学要素を仮定する(図2)。
3.
堅く締まった土層を再現するため、シミュレーションの初期状態において、隣接している要素を互いにバネで結合させる。要素を互いに引き離す力または互いにせん断する力がある一定値を越えた場合には、このバネの結合が破壊されたと判断し、以後の計算において結合力を発生させない。この計算アルゴリズムにより、土層内における亀裂発生箇所を算定できる。
4.
土層内に生じる亀裂発生箇所が一定時間間隔ごとにデータファイルとして出力される。これを時系列でつなぎ合わせることにより、作業機の作用によって亀裂が発生・伝播し、土層が次第に破砕されていく様子を時間を追ってダイナミックに再現できる。
5.
作業機の形状データを変えることにより、シャンクの形状や組み合わせなどを様々に変えてシミュレーションできる。これにより、作業機械の寸法・形状などの仕様によって異なる土層の破砕性能を評価・予測することができる(図3、図4)。
成果の活用面・留意点 1.
土壌破砕を行う作業機の設計・改良における性能予測に利用できる。
2.
バネ係数等のパラメータは土壌条件により異なるため、適切な値の探索が必要である。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009320
カテゴリ 傾斜地 中山間地域 土壌改良

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