種々の台木におけるカンキツ類の光合成と果実品質

タイトル 種々の台木におけるカンキツ類の光合成と果実品質
担当機関 四国農業試験場
研究課題名
研究期間 2001~2005
研究担当者 内田 誠
瀧下文孝
草塲新之助
発行年度 2001
要約 カラタチの系統である「クライダー」、「USDA」台の「青島温州」は「ヒリュウ」、「大葉」台よりも強樹勢となり、10月の個葉の光合成能は高い。同様にシイクワシャー台の「天草」や「せとか」は「ヒリュウ」、普通系カラタチ台よりも強樹勢で、光合成能及び蒸散量が高い。しかし、強樹勢になると、概して果汁の糖、酸共に低下する。
キーワード カンキツ、強勢台木、カラタチ系統、光合成能、蒸散量
背景・ねらい カンキツ類の樹勢調節は省力化や高品質化に直接つながる極めて重要な課題である。実用的には台木による樹勢調節が行われているが、そのメカニズムや高品質化のメカニズムは殆ど解明されていない。新品種等に対して適切な台木をより効果的に利用していくために、これらのメカニズムを生理的に解明しておく必要がある。ここでは「青島温州」、「天草」、「せとか」を種々の台木に接いだ時の樹勢と光合成能、果実品質との関係を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. 日本のカラタチ系統「ヒリュウ」「洲本」「大葉」(4倍体)台の青島温州(15年生)はカラタチ系統「和歌山」台よりも樹勢が弱くなり、10月の個葉の光合成能は低い。また、米国のカラタチ系統「USDA」「クライダー」台の青島温州は「ルビドー」「ウェバー・フォーセット」「ランス」台よりも樹勢が強く光合成能及び蒸散量が高い(表1)。
  2. 「天草」(7年生)のシイクワシャー台は普通系カラタチ、ヒリュウ台よりも幹周、樹容積共に大きく、10月の個葉の光合成能、蒸散量が高い。光合成能と幹周の相関はr=0.576*(n=15)である(表2)。
  3. 「せとか」(4年生)のシイクワシャー、普通系カラタチ台の幹周は「ヒリュウ」、ユズ、「田上カラタチ」、No98中間台よりも大きく、10月の光合成能及び蒸散量も高い。光合成能と幹周の相関はr=0.809*(n=12)である(表3)。
  4. 強樹勢台で光合成能の高い樹は概して果汁の糖及びクエン酸含量が低い(表1、2、3)。
成果の活用面・留意点
  1. 台木による樹勢調節や高品質化のメカニズム解明の参考資料となる。
  2. 光合成能は携帯型測定器(L社LI-6400P)を用い数枚の個葉について測定し、その平均値を求めた(1樹全体の光合成能ではない)。
  3. シイクワシャー台のような強樹勢台は着果が不安定になり易いが、多着果した場合の果実品質は、クエン酸が低くなり易いことから、食味は良いと判断される場合もありうる。
  4. 「せとか」の品質については「初成り」であるので、今後変化する可能性はある。
URL http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010009315
カテゴリ 省力化 新品種 台木 ゆず 良食味 その他のかんきつ

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